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2021 年度 実績報告書

生活困窮者支援における地域支援モデル構築と地域福祉計画の活用方法開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K02266
研究機関島根大学

研究代表者

加川 充浩  島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (40379665)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード生活困窮 / 地域福祉計画 / 総合相談
研究実績の概要

今年度は、次のような研究を実施した。研究の目的は、市町村が総合相談支援体制を構築しようとする際、地域福祉計画をどのように活用しているのかについて、明らかにすることである。事例として、鳥取県米子市の地域福祉計画策定過程と、「総合相談支援センター」設置に向けた諸活動を取り上げた。本事例は、地域福祉計画が行政機構改編に影響を与えたのだが、この点について論じた研究は少ない。地域福祉計画をめぐる研究・実践は、「住民参加」に関心が偏重しがちである。しかし、行政計画である以上、計画が行政施策に与えるインパクトについても、考察する必要があると思われる。
研究方法は、筆者が2018年以降、米子市の福祉政策形成過程に参加した経験をもとにした参与観察である。
研究では、特に次の3つの具体的場面を扱った。
第一は、地域福祉計画・地域福祉活動計画を策定する場面である。本計画で「総合相談支援センター」の設置が規定された。計画が、行政の総合相談機能設置を促した。第二は、米子市役所・地域福祉推進室を新設する場面である。同室を、市役所内ではなく社会福祉協議会と同じ建物内に置いた点も重要であると指摘した。これにより、「個別支援と地域支援」の統合が図られた。同時に、「制度的福祉と非制度的福祉」の統合も図られた。第三は、「総合相談支援センター」設置の場面である。センターには福祉専門職が配置され、相談の「総合化」が模索されている。行政が、重層的支援体制整備事業を利用しながら、多職種連携システムを市内に構築する過程を観察した。
以上を踏まえ、執筆論文では、次の3点について述べた。第一は、計画への住民参加の導入が、総合相談支援センター設置の要因になったことである。第二は、計画が行政の機構改編を促したことである。第三は、地域福祉計画にソーシャルワークの方法を規定することにより、総合相談拠点設置を実現したことである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 総合相談支援体制を構築する際に地域福祉計画をどう活用するか―鳥取県米子市の地域福祉政策・実践を事例として―2022

    • 著者名/発表者名
      加川充浩
    • 雑誌名

      島根大学社会福祉論集

      巻: 8 ページ: 11-25

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 総合相談拠点におけるコミュニティソーシャルワークの展開方法―島根県松江市の「地域福祉ステーション」の取り組みを事例として2021

    • 著者名/発表者名
      加川充浩
    • 雑誌名

      山陰研究

      巻: 14 ページ: 49-65

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 総合相談拠点におけるインフォーマル利用・多職種連携支援の方法―地域包括支援センターにCSWを配置する総合相談拠点の実践事例より―2021

    • 著者名/発表者名
      加川充浩
    • 学会等名
      日本地域福祉学会
  • [学会発表] 福祉総合相談拠点における困難事例の支援方法―松江市地域包括支援センターの事例より―2021

    • 著者名/発表者名
      加川充浩
    • 学会等名
      山陰研究交流会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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