研究課題/領域番号 |
19K02267
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
松本 由美 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (90627689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 医療保険 / 保険者 / フランス / ドイツ |
研究実績の概要 |
令和2年度は、前年度に引き続き、研究対象国(日本・フランス・ドイツ)の保険者編成の現状分析および改革方策の効果・問題点等の把握を目的として研究活動を行った。ドイツとフランスにおける医療保険者の現状と改革動向を具体的に検討するために、両国における訪問調査等を予定していたが、ヨーロッパにおいて新型コロナウイルスの感染状況が深刻化し、収束の見通しが立たないことから、実施することができなかった。そのため、当初の研究計画を見直し、前年度にドイツのマックスプランク社会法・社会政策研究所等において収集した文献やデータ等を活用しつつ、実施可能な部分について研究を進めていくこととした。 以上のような研究遂行上の課題はあったものの、いくつかの研究成果を公表することができた。7月には、フランスとドイツの保険者編成の違いを前提として、疾病管理のあり方を考察し、「医療保険制度における疾病管理―フランスとドイツの制度的対応からみえてくるもの」と題する論考を専門誌で発表した。また2021年3月には、フランスにおける医療保険の理解促進のための取組みと保険者組織の位置づけについて検討し、「フランスの公的医療保険と教育」と題する論考を専門誌で発表した。 令和2年度の研究活動を通じて、フランスとドイツの保険者編成の特徴を一定程度整理することができた。令和3年度は、引き続き文献調査等を通じて、比較考察のための論点を明らかにするための検討を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は、前年度に収集した文献やデータ等に基づいてフランスとドイツの保険者編成をめぐる現状等について検討を行い、研究目的を達成するための研究活動を一定程度進めることはできた。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大によって、フランスとドイツにおいて予定していた調査を行うことができなかったことなど、国際比較を軸とする本研究の活動は大きな影響を受けている。現状でも可能な研究活動は行っており、一定の進展はあるものの、研究全体の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、令和2年度に引き続き、日本・フランス・ドイツの保険者編成の特徴を明らかにするための研究を進め、比較考察を深めていきたい。新型コロナウイルスの感染の広がりや収束の状況を注視しつつ、可能であれば、フランスあるいはドイツにおいて補足的な調査等を実施したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に予定していたフランス・ドイツにおける調査が実施できなかったため、そのための旅費等を令和3年度以降に繰り越すこととなった。これについては、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き次第、延期している調査等の実施費用に充てることとしたい。
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