人口高齢化の進展等を背景として、医療保険の持続可能性を高めることが重要な政策課題となっており、効率性や公平性の観点から医療保険者の編成を見直す必要がある。本研究では、フランス・ドイツとの比較考察に基づき、保険者編成のあり方を検討し、次のようなことを明らかにした。慢性疾患の増加に対応するために、保険者編成のあり方に対応した疾病管理の推進策が求められる。また、「年齢」で区分しない医療保険のメリットをふまえて保険者編成を再検討し、よりよい世代間連帯を構築することが求められる。さらに疾病リスクをめぐる多様な連帯のあり方を組み合わせて、持続可能な医療保険を構築していく必要がある。
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