研究課題
本研究では、共生型福祉サービスを実施している町をケースとし、共生型福祉サービスを導入していない比較的地域特性が近い北海道の町をコントロールとして、要介護ニーズに関する同内容の調査を実施し、共生型福祉サービスを実施している町と非実施の町ではどのような社会参加割合が異なるかを調べることを目的としている。なお、本研究は要介護ニーズを比較する研究であるため、研究対象者は、要支援・要介護認定を受けていない地域在住65歳以上の一般高齢者に限って調査をしている。結果を分析したところ、共生型福祉サービスを実施している町の方が、老人クラブ活動などの社会参加割合が高く、外出傾向も高くみられた。一方で、スポーツの会やボランティア活動といった社会参加割合には差が見られなかった。本年度は新たに性別や就業の有無で層別解析を実施し、上記の社会参加割合との関連を分析したところ、性別での関連は見られなかったが、就業割合に差が見られた。今回の分析では、ボランティア活動のような直接的な社会参加割合との関連は見られなかったが、共生型福祉サービスを実施している町の方が就業割合が高かったという分析結果については今後も考察を深めていく必要がある。本研究の仮説は、共生型福祉サービスを導入している町の方が社会参加割合が高くなっているとする研究仮説であった。しかし、地域性バイアスの影響が強く、かつ、本州の自治体と比較して、北海道の町の方が社会参加割合の数値が全体的に低かったため、一般化可能性に関しては議論の必要があり、共生型福祉サービスを導入している町と導入していない町を比較して、社会参加割合が異なるとは言い切れない結果であった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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