研究課題/領域番号 |
19K02282
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研究機関 | 同朋大学 |
研究代表者 |
汲田 千賀子 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (80387844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症ケア / 専門教育 / 人材養成 / デンマーク / 専門性 |
研究実績の概要 |
本研究では、実践スキルの具現化と基礎教育の間にどのような有機的連動がなされている野かという点に着目している。介護現場におけるサービス提供の質を担保するためには、基礎教育と実践スキルの具現化の双方向有機的連動が欠かせないのではないかという新たな視点に立ち、基礎教育プログラムとサービス提供場面である実践とを有機的に連動させる方法の示唆を得ようと試みたものだった。 今年度についても、デンマークへの渡航が困難であったため文献資料に基づいて研究を行ってきた。その結果としては、業務独占で展開されている介護職の不足が現在懸念されており、SOSU学校への入学希望者をどのように確保してくのかという戦略が進められていることである。介護職が女性の職場と認識されている状況を改善し男性介護士を増やていくことや、SOSU学校入学後の退学者を減らすためにスーパーバイザーとの関係性を密にすることや25歳以上で介護職になるためにSOSU学校へ入学してくるたちのサポートや金銭的な保障も手厚くするといった方策に出ている。 また、実践スキルを積み上げるうえで大事なのが「追加教育」である。ディプロマを取得することが可能なプログラムも多くあり、例えば、健康実践のプログラムでは、健康増進、予防とリハビリテーションを学び、知識とスキルを身に付けることができる。社会教育学を学ぶプログラムでは、その理論をもとにして職業人として得てきた経験を踏まえて、社会的教育学的実践、精神医学、市民の権利、社会の権威間で生じるジレンマとそれへの対応について学ぶことができる。これらは一例であるが、このような様々な角度から職場内でひつようとされるスキルを学んで現場実践において展開できる人材を養成するプログラムがあることによって、介護職員の具体的技術だけではなく仕事を継続できるようなサポートができる人材の必要性とその養成をしていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の感染拡大による海外への渡航自粛が続いており、本研究のフィールドであるデンマークへへの渡航が困難であったことが理由となる。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染拡大だけではなくロシア上空を飛行できない状況もあり、まだ現地での調査研究が実現できるかどうかは檀健できないが、状況が許すならば現地に赴いて研究を行う。 もし可能ではない場合にはZOOMなどを通して、現地ヒアリングを行う。また、最新の報告書やプロジェクトなどについてオンライン上にアップロードされていることもあるので、それらの読み込み分析等を行っていくことにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外研究における渡航費と通訳費(2年分)が未執行のままであるために次年度使用が生じた。今年度、まだ見通しが立たないが、いける状況になれば渡航し調査研究をするために使用せずに繰り越した。
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