研究課題/領域番号 |
19K02299
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
西崎 実穂 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (90610957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 事故予防 / 発達促進 / 可視化 / 拡張現実感(AR) / アフォーダンス / 生活環境 / 乳幼児 / インタラクション |
研究実績の概要 |
本研究は,生態学的観点から家における生後一年間の乳幼児の行動とその周囲の情報を収集し,(1)家の中の事故予防と発達促進に役立つ特徴的場面の可視化,および(2)今後のより良い環境づくりのために参照可能となるデータ基盤構築を目的とする。 本計画は,本研究の土台となる前年度までに行ってきた研究課題において収集した,家の中で生じる乳幼児の日常行為(特に、乳幼児の行為が制限されず,乳幼児の自発的行動が見られる遊びや運動,周囲のモノとのインタラクション等の場面)を撮影した動画とこれらの動画分析を基に開発したアプリケーションの試作を基に進めるものである。動画はこれまで日本,ポルトガル,アメリカの3カ国で生後一年間の縦断的観察から成る。本研究の開始時点で性別と国別で数に偏りがあること,また新たなに観察実施の可能性のある国や都市が見込まれることから,より豊富なデータの蓄積を目指し,本計画においても追加を検討した。 今年度(R1年)は,(1)について,任意の場所で乳幼児の行為を可視化するARモバイルおよびウェブアプリケーションの改良を進め,対象物毎の特徴の明確化と多様性への理解が進むよう内容の精査と修正・追加を行った。(2)については,動画とテキストデータから家の中の事故予防と発達促進につながるデータセットの作成を進めた。試験的に運用を行い、利用方法と内容についての課題、今後の継続的な運営を目指したデータ入力方法を検討した。新規の動画の追加については,1名の新規の協力者を得て観察を行った(継続中)。今年度末にも追加予定であったが,新型コロナウィルスの感染予防の観点から面会を見合わせた。次年度以降はオンラインでの面会等も取り入れ、状況を考慮しながら新規の協力者を募る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大のため,2月後半から3月にかけて予定していた出張の延期、新規の観察協力者との面会中止、パソコンの納期未確定によるキャンセル、年度末のアルバイト期間の短縮等の理由から,当初の計画との違いが生じた。また、年度末に本研究実施者の異動が決まったこともあり、全体的に少々遅れが見られる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は遠隔で可能な方法をとり入れながら遅れを解消する。研究の打ち合わせと実験進捗の確認については,現在先方の研究室で実施している実験も中断せざるを得ないことから,渡航が可能になるまではオンラインでの打ち合わせに留める。新規の観察協力者については,異動先で地域と連携して行うこととする。アルバイト等の作業については,オンラインで指示を行い進める。ただし、オンライン上で進める場合は、個人情報に関わるデータを用いる作業は行わない。 また,購入予定であった機器については,状況が改善するまでメモリの差替や増設で対策を行ういつつ行程も変更し,別の作業を先行して進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月末から3月にかけて予定していた出張を新型コロナウイルスの感染拡大のため次年度に延期し、代わりに次年度に予定していたパソコンの購入を前倒しで注文したが、3月納品が未確定となりキャンセルした。また、新規の観察協力者との面談が困難になったこと、年度末にアルバイトの雇用が制限されたこともあり、使用予定額に変更が生じ、来年度の使用に回すこととした。
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