研究課題/領域番号 |
19K02301
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
中出 麻紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (80508185)
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研究分担者 |
饗場 直美 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (50199220)
福本 隆司 神奈川工科大学, 情報学部, 教授 (80772912)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 野菜 / ナッジ / 大学生 |
研究実績の概要 |
大学生を含む若年成人は、今後を担う世代であるにも関わらず、食生活上の問題が多い。野菜摂取量が少ない事もその1つである。大学生に対する食事介入の場 の1つとして学生食堂があるが、自分で料理を選択するカフェテリア方式の学生食堂では、副菜を選択しない大学生が多いことが報告されている。そこで本研究 では、カフェテリア方式の大学学生食堂において野菜の選択を増やすため、人間の行動心理を利用し、望ましい方向へ行動を導く「ナッジ(nudge)」の方法を 取り入れた介入を実施し、その効果について検証することを目的とする。 本年度は研究3年目に当たり、兵庫県の1大学にて、ナッジ要素を取り入れた2種類のデジタルサイネージ映像(キャラクター映像、社会規範映像)を作成し、その映像を食堂にて提示する介入研究を実施した。調査期間はベースライン、介入期間、追跡期間の各2週間とした。全ての期間において調査票及びレシート回収ができた87名を解析対象者とした。 研究の結果、介入期間中にデジタルサイネージ映像を見た人は59名(67.8%)であった。キャラクター映像、または社会規範映像を見て野菜を食べようと思った人はどちらも約4割であり、映像の内容を理解した人はどちらも約8割と高かった。しかし、ベースライン、介入期間、追跡期間中における野菜量、野菜小鉢品数、野菜料理数、野菜小鉢出現率、野菜料理出現率に関して有意な変化は見られなかった。栄養に気を使っているか、野菜摂取に関する意識、食堂利用者全体の野菜料理の売り上げにも有意な変化は見られなかった。以上の結果より、今後、大学生の行動変容を起こさせるような映像内容の工夫が求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響で前期に学生食堂が閉鎖し、研究開始時期を遅らせることになったものの、年度中には研究を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた介入研究については終えることができた。今後は研究内容に関する学会発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は介入研究を実施し、そのための予算を多めに確保していたため若干予算が残った。来年度は国際学会や国内学会で研究成果を発表することが決まっており、残りの予算はその学会参加費や旅費に充てる予定である。
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