研究課題/領域番号 |
19K02318
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
柳井 章江 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20284854)
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研究分担者 |
篠田 晃 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40192108)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 機能性ディスペプシア / 食欲不振 / 胃 / STB/HAP1 |
研究実績の概要 |
我々は、これまでに正常脳内に存在する新規構造体stigmoid body(STB)が神経細胞保護であることを報告してきた。本研究では、血液による生化学検査や内視鏡検査などで異常が見つからない機能性ディスペプシアの基礎的病態を解明することを目的に、初年度は、胃におけるSTBの形態学的検討を行った。STBのマーカータンパク質である抗HAP1(huntingtin associated protein 1)抗体を用いて、正常マウスやラットの胃においてどの細胞に局在しているかを明らかにした。胃粘膜細胞の各種マーカータンパク質に対する抗体を用いて、STB/HAP1が発現する細胞の同定を行った。STB/HAP1は、全ての胃粘膜細胞に存在しておらず、限定した細胞にのみ局在することが明らかとなった。また、HAP1ノックアウトマウスを用いた解析も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画通り、正常マウス上部消化管におけるSTB/HAP1の分布を明らかにし、発現細胞の同定を行うことができた。免疫陽性反応は、複数のエピトープの抗体で確認し、抗原吸収を行うことで抗体の特異性の検討を行った。HAP1ノックアウトマウスは、繁殖・維持することに成功しており、サンプリングし、野生型マウスとの比較を行った。 一方、FDモデルマウスの開発および行動評価法の開発に着手する予定であったが、わずかに遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、行動評価システムを組み合わせ、FDモデルマウス作成とその評価方法を開発する。FDモデルマウスは成因が複数あるため、評価法が難しいことが予想されるが、FD様症状を惹起すると予想されるストレス付加を複数行い、摂食行動及びうつ様行動などの総合評価行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
行動解析用の機器購入を初年度に計上していたが、形態学解析を中心に行ったため、未使用額が生じた。未使用額は、次年度計画にあるFDモデルマウス開発および行動解析に必要な機器の購入や試薬、抗体などに充てる。
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