| 研究課題/領域番号 |
19K02319
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| 研究機関 | 高知大学 |
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研究代表者 |
島村 智子 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (50350179)
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| 研究分担者 |
柏木 丈拡 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (60363256)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 後発酵茶 / 碁石茶 / 抗糖化活性 / AGEs / 生体内メイラード反応 |
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| 研究実績の概要 |
碁石茶は高知県長岡郡大豊町で生産されている伝統的な二段階発酵茶である。碁石茶に関する過去の機能性研究では、抗糖化活性、高脂血症・動脈硬化抑制効果、脂肪細胞の肥大化抑制効果、血中脂質改善効果、インフルエンザウイルス感染予防効果等が明らかとされてきた。これらの関与成分として、カテキン類、没食子酸、ピロガロールが同定されているが、上記の機能性を十分に説明し得るものではない。本研究では、生活習慣病と関連の深いタンパク質糖化最終生成物（AGEs）の生成阻害活性（抗糖化活性）を指標として用い、碁石茶を含む各種後発酵茶の活性評価を行うとともに、関与成分の追究を行うものである。これまでの研究により、バタバタ茶を除き測定に用いた後発酵茶には抗糖化活性が認められること、ならびに碁石茶は既に様々な機能性が明らかとなっている緑茶に次いで高い抗糖化活性を示すことを明らかとしてきた。また、比較的高分子量の画分に抗糖化活性が認められることも見出した。2020年度においては、抗糖化活性を示す碁石茶熱水抽出物に含まれる抗糖化活性関与成分のより詳しい追究を行った。その結果、3-10 kDa、10 -50 kDa、50 kDa以上のそれぞれに抗糖化活性が認められ、その中でも特に50 kDa以上に高い活性が認められることが判明した。また、当該画分にはプロアントシアニジンの存在が示唆され、ポリフェノール除去処理後には抗糖化活性の著しい低下が認められた。現在、活性関与物質の分子量及び構造の解析中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通り、2020-2021年度の研究において碁石茶の抗糖化活性成分が含まれる画分を特定した。研究の進捗としての遅れはないと判断している。今後は各種機器分析を用いて構造解析に取り組む予定であり、特に研究の妨げになるような懸念事項はない。
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| 今後の研究の推進方策 |
2021年度は碁石茶中に含まれる抗糖化活性成分の分子量と構造の解明に取り組む。構造特定に至った後は、これまで明らかとなっている各種生体調節機能と碁石茶由来プロアントシアニジンの関連について確認作業を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響により、参加予定であった国際学会が中止になったことから旅費の支出がなくなった。また、同様にコロナウイルスの影響により2020年度前半は大学内での実験が満足にできなかったことから、消耗品費の支出が予定より少なくなったことが原因である。今年度は対面形式の学会が開催されれば積極的に参加すること、ならびに構造解析を迅速に行うために依頼分析に出すことなどにより、繰越分の予算を効率的に使用する予定である。
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