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2019 年度 実施状況報告書

ツバキ油の経口摂取は皮膚の脂質代謝に影響を与えるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K02320
研究機関長崎大学

研究代表者

及川 大地  長崎大学, 教育学部, 准教授 (90571216)

研究分担者 池上 太郎  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードツバキ油 / 皮膚 / 脂質 / 脂肪酸 / 加熱油脂
研究実績の概要

ツバキ油とオリーブ油の摂取が皮膚の脂肪酸組成に変化をもたらすか、また、加熱ツバキ油と加熱オリーブ油の摂取の違いについても検証した。 4週齢のICR雄マウス24匹を4群(n=6)に分けた。AIN93Gの油脂源を7%ツバキ油に代替した"ツバキ油群"、加熱した7%ツバキ油に代替した"加熱ツバキ油群"、7%オリーブ油に代替した"オリーブ油群"、加熱した7%オリーブ油に代替した"加熱オリーブ油群"の4群を設定し、4週間摂取させた。加熱ツバキ油およびオリーブ油は、180℃のアルミブロックヒーターで1時間加熱した。飼育終了後、皮膚を採取し、-80℃のディープフリーザーで凍結保存した。皮膚からの総脂質抽出はFolch法(1957年)の改変した方法を用い、脂肪酸のエステル化はKamegaiらの方法(2001年)を用いて行った。エステル化した脂肪酸は、ガスクロマトグラフィーを用いて同定した。統計解析は二元配置の分散分析を用いて検定した。
全ての群の皮膚の脂肪酸組成は、オレイン酸(C18:1)が最も多く含まれ、2番目にリノール酸(C18:2)が含有していた。両脂肪酸は群間に有意差は無かった。一方、パルミトオレイン酸(C16:1)およびα-リノレン酸(C18:3)はオリーブ油群よりツバキ油群の方が有意に高く含有した。また、ステアリン酸(C18:0)はオリーブ油群よりツバキ油群の方が高くなる傾向にあった。油脂の違いは皮膚の脂肪酸組成に変化をもたらしたが、加熱による影響は確認できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基礎的データとなるツバキ油およびオリーブ油摂取時のマウス皮膚の脂肪酸組成を測定し、把握することはできた。加熱油脂による皮膚への影響、脂肪酸組成のさらなる分析がさらに必要である。また、コロナウィルスの影響でマウスの飼育にも計画の段階で長期的な影響がでた。

今後の研究の推進方策

通常マウスだけでなく、ヌードマウスを用いた試験を実施する。
皮膚の分析をさらに進め、脂肪酸組成を総脂質だけでなく、中性脂肪とリン脂質画分に分けて分析することを試みる。
また、脂質代謝に関与する酵素の遺伝子発現についても吟味して分析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

2019年度後半に新たにマウスの飼育を計画していたが、コロナウィルスの影響で実施が見送りとなり、マウスおよび飼育に関わる餌と飼育の人件費が発生しなかった。また、脂質関連酵素の遺伝子分析も次年度に持ち越しとなった。
コロナウィルスの収束の状況を把握したうえで、ヌードマウスを含めた複数回のマウスの飼育および皮膚の分析に使用する。また、サンプル量が増えることから、バイオメディカルフリーザーの購入も予定している。さらに可能であれば、共同研究者との中間報告会および今後の打ち合わせのため、代表者の旅費も計上する。

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公開日: 2021-01-27  

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