研究実績の概要 |
フィリピン共和国(以下、フィリピン)では、経済格差と同様に貧困ゆえの栄養格差も深刻な問題となっている。前年度までに、Luzon島のLaguna州のMayondon, Putho、Tuntungin, Timugan, San Antonioの4地域、計8カ所のDaycare centerに在籍する3~5歳の幼児を対象とした食事調査を行い、栄養摂取に関する問題点を抽出した。また、その結果をふまえ、栄養改善を目的とした栄養教育教材を作成した。本年度は、動画を中心とした栄養教育教材を作成するとともに、微量栄養素の摂取源として、Moringa oleifera を用いた幼児の栄養補助食品(ポルボロン様クッキー)を作成した。 栄養補助食品のエネルギー及び栄養素量は、Recommended energy and nutrient intakes for Filipinos を参考に、1日分の15%の摂取を目標に設定した。米粉を原料としたポルボロン様クッキーを作成し、10、15、20%のモリンガを添加した際の、吸水試験、色彩色差測定、破断強度測定、保存性試験を行った。また、分析型及び嗜好型官能評価を行った。
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