研究課題/領域番号 |
19K02335
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
伊藤 智子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70413490)
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研究分担者 |
加藤 さゆり 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (10809338)
大森 眞澄 島根県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20437552)
安部 孝文 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30794953)
祝原 あゆみ 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (50533824)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 質的研究 / 認知機能 / 社会生活 |
研究実績の概要 |
本研究は、地縁的な社会とのつながりが比較的残っているという特徴をもつ中山間地域の暮らしの中の社会関係性に着眼し,どのような社会生活(社会生活意識・社会とのつながり・人との関係等)が認知機能によい影響を与えるのか,その構造を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、2020年度の文献検討を基に、10名の高齢者の社会生活について電話インタビューを行った。出雲市慶人会連合会に対面にて書面と口頭にて説明を行い,書面にて研究協力の同意を得た。個別電話インタビューは,一人当たり1回実施した。インタビューの場所は、対象者の方は自宅・研究者は研究室とし、1回30分程度とした。個別電話インタビューは、本人の同意を得て参加者の発言内容をICレコーダーに録音を行った。インタビューの内容は①平均的な一日の過ごし方について②人や動物(命あるもの)とのつながりについて③あなたにとって安心できる環境について④毎日の生活中で大切にしていることについてである。 インタビューによって得られたデータはすべて逐語録におこした。逐語録の中から、対象者の社会生活の実情・社会生活に対する意識について抽出を行い、意味内容を変えることなくコード化を行った。1名につき、約30のコードが抽出された。 今後、10名分の約300のコードのカテゴリ化を行う。さらに、抽出されたカテゴリを既存の認知機能と関連が分かっている生活項目と合わせ、量的調査の項目を精選する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延防止のため、研究計画の見直しが必要であった。そのため、計画を修正し、倫理審査を受けるまでに時間を要することとなった。また、共同研究者間でのデイスカッションが十分にできず、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、量的調査を実施する。この調査内容は、性別や年齢といった基本属性の他に、2020年度に内容的妥当性を検証した認知機能を維持するための社会生活の項目と、高齢者の認知機能測定項目で構成する。高齢者の認知機能を測定するものとして,宮前らが開発した「自記式認知症チェックリスト」(文献1参照)を活用する。その後,返送されてきた結果をデータ入力し, SPSSデータ解析ソフトを用いて、探索的因子分析を行い、認知機能を維持するための社会生活の因子構造を明らかにするとともに、因子間の関連を分析する。また、下位因子と自記式認知機能得点との関連をPearsonの相関係数を用いて分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で、出張が出来ず、旅費を使うことが出来なかったため。次年度に持ち越し使用する。
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