本研究では、建築環境面と重度肢体不自由者の視点に立った「快適な居場所」を目指している事例の調査を重ねた。研究成果を学会や関係団体にも報告し、これから居場所の開設を目指す人々に有用な情報を提供した。それにより、重度肢体不自由者の居場所作りを促し、ノーマライゼーションの環境整備の推進に寄与するものと考えられる。 本研究では、入居者の医療的ケアの実施内容や地域特性、居場所の平面特性、支援状況別にソフト・ハードの多角的な視点から事例を類型化し、建築学と社会福祉学の両分野の知見から課題を把握した。その課題を基に、重度肢体不自由者のニーズに寄り添う居場所の計画に資する課題を提言した点に社会的意義がある。
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