研究課題/領域番号 |
19K02346
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
村田 久 目白大学, 人間学部, 准教授 (80350445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子ども育成モデル / 中山間地域 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中山間地域における学校種、学年・学級、行政、子育て関係機関、家庭といった枠組みを取り払った包括的な子ども育成モデルの構築と検証を行い、全国の人口減少地域に包括的な子ども育成モデルを広めていくための基礎資料を提供することである。本申請計画では、研究目的を達成するために次のの3つを研究計画の柱としている。研究Ⅰ.中山間地域の住民、行政・教育関係者の実態と意識の把握、研究Ⅱ.中山間地域における包括的子ども育成モデルの構築、研究Ⅲ.包括的子ども育成モデルを用いた介入研究と効果測定。2019年度は研究Ⅰを行った。 具体的には、沖縄県宮古島市の住民600名を対象に「生活と子育て」に関するアンケート調査を実施した。回収率は15.8%であった。詳細なデータ分析は2020年度前半に行う。また、既存データの分析を実施した。筆者が過去に実施した、小豆島、直島、奄美大島のいずれのデータにおいても子育て支援への意識は全国平均より高いことが明らかとなった。 筆者の2019年2月、パーマストンノース市にある幼稚園と保育園を視察を基に、テファリキとニュージーランドの保育を検証し、日本の保育が学べることやその在り方について論考した。日本での多くの保育園や幼稚園での環境構成や雰囲気とは異なるものであったが、中山間地域において園児数が15名に満たない園との雰囲気の共通性を感じた。近年、教育・保育現場ではカリキュラムマネジメントという言葉が登場し、PDCDサイクルの推奨がされている。大規模園であればPDCAサイクルやカリキュラム・マネジメントは必要とされようが園児数が10名規模であれば、混合保育の形態にならざるを得ず、詳細な年齢別カリキュラムは必要とされず、むしろニュージーランドで実践されている個別的なラーニングストーリーの導入が有効であると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定していたアンケート調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
本申請計画では、研究目的を達成するために次の3つを研究計画の柱としている。研究Ⅰ.中山間地域の住民、行政・教育関係者の実態と意識の把握、研究Ⅱ.中山間地域における包括的子ども育成モデルの構築、研究Ⅲ.包括的子ども育成モデルを用いた介入研究と効果測定。2019年度は研究Ⅰを行った。 2020年度は研究Ⅱ(中山間地域における包括的子ども育成モデルの構築)を行う。研究Ⅰの量的・質的調査結果に基づいて検討し、包括的子ども育成モデルの構築を行う。但し、新型コロナの影響でフィールドワークに差し障りがあった場合は、限定的なデルファイ調査、質的調査に重点をおき仮説的モデル構築を行う。また、既存データの分析を深めることも予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ自粛により、旅費がかかる対面による科研会議の自粛をしたことで次年度使用額が生じた。当面はテレビ会議を行い、自粛解除とともに科研会議を開催する。
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