生活構造は人口規模により影響を受けると考えられ、都市部では一局集中による効率的役割分担と不特定多数・匿名化による他人への不干渉を価値規範としたライフスタイルが形成され、田園・農村部では分散、自己完結型で特定少数・実名化による親密交流を価値規範としたライフスタイルが自ずと形成されやすいと考えられる。 上記課題の検証を進めるため、2023年度は公的データを用いた中山間地域のライフスタイルの変化を析出し、さらに中山間地域における幼保連携に関するフィールドワークを進めた。具体的には、岡山県吉備中央町を対象として人口減少が保育園、幼稚園、子育てに与える影響について検討した。2023年12予備調査を行い、2024年2月に「保育モデルの変容と生活」に関する本調査を実施した。 公的データの分析からは、田園・農村部では、近所付き合いを親密にし、家族の絆を強め、治安の心配なく、毎日の生活をみんなで楽しむイメージがあるが、むしろ以前の都市型ライフスタイルが浸透していることを明らかにした。一方で、大都市において、住民での助け合い、治安の良さ、日々の生活を充実させるなど田園・農村型に回帰しつつあることを示した。
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