研究課題/領域番号 |
19K02349
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
朝比奈 はるか 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 救急部, 助教 (30599197)
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研究分担者 |
和田 美貴代 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任准教授 (80771188)
藤野 毅 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (70282431)
藤川 和美 公益財団法人高知県牧野記念財団, その他部局等, 研究員 (60373536)
都甲 由紀子 大分大学, 教育学部, 准教授 (40586195)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | チン民族 / 焼き畑 / 照葉樹林 / 伝統 / 貨幣経済 / 侵略植物 / 植生 / 生活様式 |
研究実績の概要 |
乾季のはじまりである11月に、マンダレー大学の研究者と共にミャンマーチン州の南部の町、ミンダットおよびカンペレにて民俗植物学的、および森林生態学的調査を行った。 民俗学的調査については、今回調理方法の専門家を加えて、ダイ族の家を訪ね調査を行った。ミンダット市場は一度火事にあい、一年前は青空の下に小さな屋台が並ぶような臨時の店だったが、今回新規建物に移動していた。野菜、穀物、なかでも芋、豆について調査した。竹細工や、小動物を撃つ道具についても情報を集めた。ペットボトル飲料などの近代的な店もみとめられた。農業省のオフィスにて、農業に関する近況についてインタビューした。カンペレは市場には低地からの作物が多く、伝統的なものは少なかった。 森林生態学的調査においては、ミンダットで二か所、カンペレでも三か所の焼き畑または焼き畑放棄地に訪問し、合計八区画の植生調査を行った。区画内の植物の標本用植物を採取し、共同研究者であるマンダレー大学に収めた。新大陸からの侵略植物の侵入が目立った。乾季の終わり(3月)に比べ、森は暗く湿気が感じられ、植物相もどちらかといえば日本でなじみの植物と近縁なものも多く認められ、季節ごとの植生調査の必要性が裏付けられた。特に調査地のひとつは雨季に小さな流れが脇をとおる痕跡をみとめ、雨季の調査の必要性が増した。 今年は特に雨季が終了した直後であるためか、まだ収穫されていないシコクビエの畑を多くみとめることができた。民俗的行事や接客に欠かせない酒を造るための穀物であるシコクビエを除伝統的作物は、徐々に減っていると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の乾季の現地調査は予定どおり進んだ。植物の同定には時間がかかるため、まだ終了していないが想定内である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には雨季調査を計画していたが、2019年度の最後に始まったコロナウイルス関連の対応で現在海外渡航が制限されており、一年から一年半の渡航自粛期間が予測される。今後しばらくは2019年の乾季に入手した調査データの植物同定および生態学的データの解析に注力を注ぐ予定であるが、この研究は現地調査データを抜きにはすすめられないため、雨季の調査を2021年度以降に延期する可能性が高い。
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次年度使用額が生じた理由 |
標本作成の協力者のおかげで謝金には残高ができた。一方現地では通訳代や車借り上げ代等が計画書作成の時点より値上がりをしていた。残金は次回の調査時に調査の諸費用の補填に回す予定である。
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