研究課題/領域番号 |
19K02353
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
内藤 章江 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特別研究員 (70367639)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 評価指標 / 教育ツール / 学校制服 / 教育効果 |
研究実績の概要 |
2023年度は、これまでに得た研究成果を元に「学校で着用する衣服(学校制服)」の教育効果を測定する「評価指標」と、教育現場で利用可能な形に整えた「教育ツール」の開発を行った。 「評価指標」の開発にあたり、2019年~2020年に中学生・高校生(計1,648名)を対象に実施した「学校制服着用時の気持ち(10項目4段階評価)」、「学校制服の着用嗜好(5段階評価)」の調査結果と、教員と保護者(計278名)を対象に実施した「学校制服に期待する役割(15項目4段階評価)」の調査結果を使用し、限られた授業時間内で容易に評価できること、評価結果を可視化して生徒自身がその結果を内省できること、周囲の人の考えと生徒自身の評価結果を比較・共有できること、の3点を目標に指標を整えた。 「教育ツール」は、「評価指標」と先述した3点の目標を実現するために、生徒が自らの考えや気づきを言語化し、それを俯瞰し、属性による共通点や相違点を比較・確認できる「ワークシート」の形式で開発することとした。中学・高等学校で使用できる教育ツールを目指し、50分授業で学校制服の効果を評価・可視化・実感できるよう必要な情報を1シート(A4サイズの紙に両面印刷することを想定)にまとめ、生徒(個人)が行った「制服着用時の気持ち」の評価結果を数値化・言語化し、それをもって生徒自身が制服の教育効果を内省できる学習内容(1シート)にまとめた。さらに「制服着用時の気持ち」を多角的(個人、集団、組織の視点)に捉え、それらを可視化(言語化)したうえで制服の力(効果・影響)について話し合う学習内容(1シート)にまとめ、説明書(指導書)も作成した。 2023年度の研究成果(評価指標と教育ツールの開発)は繊維製品消費科学会2024年度年次大会で発表する。なお、これまでの調査結果を取りまとめ、繊維製品消費科学会誌に投稿し、2024年3月号に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍における調査・実験の延期や見直しを行ったことにより、当初よりも進みは遅いものの、予定していた本研究の成果物として2023年度は「評価指標」と「教育ツール」を開発することができたことから、「(2)おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度に開発した「評価指標」と「教育ツール」を全国の中学・高等学校に配布する仕組みを作り、実際の教育現場において指標の有用性と汎用性について検討する。さらに、これまでの研究成果を学会発表や論文投稿をもって広く発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は指標開発、教育ツールの開発、成果の取りまとめと論文投稿に専念したため、予定よりも費用の支出が少なくなった。2024年度は、これまでの成果を発信するために中学校などに足を運び、学会発表や論文投稿を積極的に行い、予定通りの予算執行を目指す。
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