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2020 年度 実施状況報告書

高強力繊維の染色性向上と衣料用のための機能性付与

研究課題

研究課題/領域番号 19K02379
研究機関日本女子大学

研究代表者

榎本 一郎  日本女子大学, 家政学部, 教授 (10462970)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード放射洗グラフト重合 / 高強度繊維
研究実績の概要

計画していたフッ素ガス処理が設備会社の事情により休止となっため、放射線グラフト重合による高強度繊維の超高分子量ポリエチレン処理を行った。ガンマ線照射はセシウム137を利用し、室温、大気中で24時間、25kGy照射した。照射時に生じるアルキルラジカルは大気中で安定化してグラフト重合には適さないが、酸化による過酸化物から加熱により生じるヒドロキシラジカルをグラフト重合に利用した。モノマーにはグリシジルメタクリレート(GMA)およびメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)を用いた。照射後の高強度繊維を試験管に入れ、メタノール溶液中、60℃で1時間処理し、グラフト率を求めた。グラフト重合の確認には、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、グラフト物の確認を行った。しかし、グラフト物、GMAのスペクトルの確認はできたが、HEMAのスペクトルは確認できなかった。試料の重さを計ったところ、GMAのグラフト率は5%と低く、HENAにおいてはグラフトが確認できなかった。この件に関しては現在再度試験を実施し、原因を確認している最中である。
同じく電子線照射によるグラフト重合を行った。ここでは、試料に繊維ではなく、超高分子量ポリエチレンフィルムを使用し、線量を25kGy~200kGyに設定して、GMAおよびHEMAを塗布した試験片を照射した。ここでHENAは未硬化であり、グラフト確認できなかった。一方、GMAを塗布した試験片では、GMAの硬化は確認できたものの、溶剤による洗浄で剥離してしまったため、グラフトには至っていないことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大により、大学への入構制限や、計画していた外部機関の照射施設の休業、研究資材の入荷の遅延など、想定を超える制約があったため、予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

現時点では研究資材は一部を除いて手配できている。また予定している照射施設は稼働しており、今後は計画通りに進められる予定である。

次年度使用額が生じた理由

外部施設の利用が制限されていたため経費が抑えられたが、その分の外部施設の利用を増やす計画でいる。加えて、不足している設備の見直しも予定している。

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公開日: 2021-12-27  

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