本来脂溶性であるカロテノイドの一部がウンシュウミカン、マスクメロン、カキ、ビワ、ニンジン、パプリカ果肉では水溶性に可溶化される現象を見いだした。本研究課題の素材として最適と判断したパプリカ果肉を生理的食塩水(pH7.4)中でホモジナイズし、遠心分離、硫酸アンモニウム塩析、ゲル濾過に供し、着色した水溶性画分を得た。本着色画分を遠心濃縮し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した結果、未染色状態で分子量10,000ダルトン付近に着色したバンドを確認することができた。したがって、パプリカ果肉中の脂溶性カロテノイドの一部はタンパク質と複合体を形成し、水溶性に可溶化されることが示唆された。
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