研究課題/領域番号 |
19K02387
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研究機関 | 仁愛女子短期大学 |
研究代表者 |
金井 猛徳 (金井猛徳) 仁愛女子短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (60721321)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育支援システム / 調理実習 / e-ポートフォリオ / 事後学習 |
研究実績の概要 |
本研究は、調理実習において調理実習後の事後学習の調理実習ノートと調理技術の反復練習に着目し、ICTとアクティブラーニング(AL)を活用した教育支援システムの開発を行うことを目的とする。 調理実習の事後学習は、調理工程表や記憶をもとに調理実習ノートの作成や調理技術の反復練習を行うことが一般的である。しかし、実習工程が複雑であるにも関わらず、事後学習では記憶を中心に振り返りが行われている。また、教員1~3人で数十人の学生を指導するため、全てのグループの作業を把握することは困難である。 これまで、研究代表者らは、上記の課題に対応するため、教員によるデモや調理実習中の様子を録画し、実習後に確認可能な教育支援システムを開発した。しかし、システムによって蓄積された映像は、膨大な情報量のため、録画したものを単純に視聴するだけでは、流れ作業で終わってしまうことが懸念される。そのため、録画映像を用いた効果的な学習が必要と考えられるが、上記に対応する教育支援システムまたは学習方法は実施されていない。情報教育分野では、eポートフォリオシステムが活用されている。このシステムは「さまざまなデジタルデータを学習根拠として用いて自己学習すること」や「学生間での情報共有・協同作業」および「学習成果の蓄積」に活用することが可能である。このシステムを調理実習にも活用することが十分可能と考える。 令和元年度は「ALを取り入れたeポートフォリオ型の調理実習ノートの開発」を行った。まず、調理ノートの仕様を検討するため、複数の養成課程の教員を対象に調理ノートの様式、調理の流れ、事後学習の流れについてヒアリングを実施し、その結果をもとに試作機を構築した。また、eポートフォリオ型の調理実習ノートの有効性を検証するため、栄養士養成課程の学生に対してアンケート調査を実施し、システムの有効性および教育の有効性についても検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
どのような調理ノートの様式(どのような項目)がeポートフォリオ上適しているか、事前の簡易ヒアリングの過程で把握できたため、当初計画していたより時間をかけてヒアリング調査および情報収集を行った。また、eポートフォリオ(Mahara)にモジュールを追加(開発)するため、複数の試験機を準備した。これらの作業に時間がかかったため、当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、当初の予定より、やや遅れており、今後はモジュール開発と令和2年度に開発予定のシステムを独立して行わず、統合を見据えて実施することで開発の効率化につなげたい。 また、コロナに関する今後が不透明なため、今年度の秋以降に予定している現地調査に関しては、早めに協力と相談し、次年度以降に予定を変更することも含めた対応を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度に開発したe-ポートフォリオと令和2年度以降の開発に使用するデバイスとのシステム間連携のアーキテクチャを考慮するため、購入前倒し支払い請求を行ったが、対象デバイスの流通が遅れ、なお、デバイス確保のため、2ルートの購入先を確保したが、両社とも同様の理由で流通が遅れている(流通の遅れたことを証明できるように書類あり)。4月に新たな企業が販売を開始したため、現在その企業とも相談中である。 なお、次年度使用額は、そのままデバイス購入に使用する予定である。
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