研究課題/領域番号 |
19K02390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
生越 達 茨城大学, 教育学研究科, 教授 (80241735)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 道徳 / 公共性 / 対話 / 弱さ / オープン・ダイアローグ / 対等性 / 異質性 / 進化 |
研究成果の概要 |
人間存在において公共性が内在していることを生物学や脳研究、さらには政治哲学や精神医学の成果を援用しながら明らかにしてきた。人間は生物としての弱さをむしろ力として進化してきた動物であり、その際個人の力ではなく共同性を大切にすることで進化してきたことが明らかになった。だが実際現代社会においては、人間のもう一方の本質であると思われる自己中心性が強まってきていることも明らかにしてきた。 これらの研究からわかってきたことは、自己に内在する公共性を喚起するためには、共同性を維持するような場を作りだしていくことが必要で、このような場を触媒のようにして道徳性を育てることが可能になる。
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自由記述の分野 |
教育方法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間存在に公共性が内在することを生物学や脳研究なども踏まえて明らかにしたことに第一の社会的意義があるように思われる。公共性については多様なとらえ方が可能であるが、広い視野から公共性を捉えることで人間の本質をコミュニケーションする動物としてとらえられることがわかり、道徳性を考える際に共同性を維持することを大前提として考えなければならないことが明らかになった。 さらに中央教育審議会答申における居場所としての学校、個別最適な学びと協働的な学びの両立のために、学校において対話の場を形成することの重要性を石牟礼道子の思想やオープンダイアローグにおける対話に学びながら明らかにした点に社会的意義がある。
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