研究実績の概要 |
本研究課題「教師集団としての超越主義者:19世紀米国知識人にみる協働の教師教育の思想」では、これまで「個性」尊重の教育思想の源流とされてきた、19世 紀米国の超越主義者たちを、教師の研究交流集団という観点から再考することを通し、個々の教育実践-思想家としての超越主義研究に加え、互いに喚起し合う、相互触発としての教育関係の研究への端緒を得ると共に、近年の教師教育研究において議論が活発化している、教師間の協働・学び合いといった課題への示唆を得ることを目的として研究をすすめて来た。当該年度においては、エマソンの自然の概念が、教育思想の歴史においていかなる特質をもつものであるかについて吟味を行い、同時に教師教育における知識の形成について再検討を加えるかたちで調査を実施した。こうした研究は、次の成果へと結びついた。高柳充利(2023)「教師は何を学ぶのか」森下孟・青木一(編著)『教師を目指す人のための臨床経験の理論と実践:「臨床の知」が拓く教員養成課程』北大路書房. Takayanagi, M. (2023) "Nature and Education," in Ueno, M. (ed.), Philosophy of Education in Dialogue between East and West: Japanese Insights and Perspectives, London: Routledge (in print).
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