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2019 年度 実施状況報告書

戦前期日本における高等教育と実業家:文科系を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 19K02398
研究機関和歌山大学

研究代表者

長廣 利崇  和歌山大学, 経済学部, 准教授 (60432598)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード企業家 / 企業家と学歴 / 企業家と教育
研究実績の概要

戦前期日本の企業家と学歴に関して検討した。帝国大学・私立大学などの高等教育機関を卒業した企業家の動向は、先行研究において明らかにされている。とりわけ、第一次世界大戦後の日本の大企業では、「学校出」の「職員」・「技術者」がトップマネジメントを占めるようになった。大企業におけるトップマネジメントと高い学歴との関係性は認められるものの、尋常小学校卒業などの低い学歴を経て企業家として成功した者の動向は知られていない。こうした先行研究の状況を踏まえて、本研究では、小学校卒の企業家の動向を検討した。
具体的には、『私の履歴書』(日本経済新聞社、各年)に加えて、『私の歩んだ道』(産業研究所、各年)に掲載されている425人を分析対象とした。本年度はこれら資料の収集・読解・データベース化を進めた。これに平行して関連する資料の収集と読解を進めた。
暫定的な分析結果は以下の通りである。『私の履歴書』に掲載されている243人中156人(64.2%)が大学を卒業し、243人中25人(10.3%)が小学校(高等小学校中退も含む)を最終学歴としていたため、企業家としての成功には学歴が重要という結論になる。しかし、両資料を使い分析すれば、大卒425人中173人(40.7%)、小卒425人中125人(29.4%)となり、小卒の学歴で成功した企業家の存在も見逃すことはできない。
この発見に基づいて、小学校を最終学歴とする企業家の特質について分析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料の収集、資料の読解ともに順調に進んだため、おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

分析を進める上で必要となる資料の収集と分析を進める。とりわけ、戦前期日本の丁稚・徒弟関係の調査を進める。
研究成果の発表を国内学会で実施(企業家研究フォーラム、2020年7月11日予定)する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、2020年9月に初頭に実施される国際コンファレンスの旅費と2020年度に公刊される文献資料の購入に充当するため。

次年度使用額の使用計画は、上記の国際コンファレンスの旅費と文献の購入に使用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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