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2023 年度 実施状況報告書

現代共和主義教育理論の探求―市民性教育を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 19K02399
研究機関九州大学

研究代表者

蓮見 二郎  九州大学, 法学研究院, 教授 (40532437)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード市民的共和主義 / 公共 / 教科書 / 政治的中立性 / EU市民
研究実績の概要

2023年度についても、2020~2022年度と同様に、新型コロナウイルスの影響で、本科学研究費助成金研究課題として計画していた国際共同研究などについて当初計画通り実施することが困難だったため、計画を全面的に見直すこととし、幾つかの代替策を講じた。
(1)前年度公表した「シティズンシップ教育研究の政治学への貢献:『模擬投票における振り返り』の検討を通じて」の延長上に、高等学校公民科「公共」の教科書分析を行い、論文を公刊した(「高等学校新科目『公共』教科書の政治学的分析:概念と探求課題」『年報政治学』2023ーII号)。
(2)国際会議の代替措置として、オンライン(ハイブリッド形式)により全世界に公開したシンポジウム「ヨーロッパ市民の形成/育成と現在の到達点」を開催し、EU市民のあり方について法学/政治学、言語教育、道徳・市民性教育、高等教育など多角的な観点から現状を検討した。
(3)国際共同研究の代替措置として、ライテラー教授を招聘し、九州大学EUセンター、同アジア・オセアニア研究教育機構等との共催でセミナーを開催することで、本科学研究費助成金研究課題に関連した外交や安全保障の観点から市民性についての議論を深めた。
(4)日本公民教育学会第33回大会シンポジウムC「政治的中立性を保ちつつどのように公民としての資質・能力を育成するか」において、「政治哲学における中立性:リベラルな国家とその批判」をテーマに報告を行った。英語圏の政治哲学におけるリベラリズムの中立性の議論と日本における教育の政治的中立性の議論とを架橋する試みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響で、海外へ出向いて共同研究や国際会議を行うことがまだ困難であったため。
そのため、シンポジウムや招聘セミナーを実施し、また、国内専門学会での報告・論文公刊などの形態で代替措置を講じたが、国際研究交流が限定的であったことから、当初計画よりは依然としてやや遅れている状況にある。

今後の研究の推進方策

今後、研究課題の再延長が認められた場合、最終的な研究のまとめのために、これまでの研究成果を基に、特に理論面での探求を推し進める計画である。引き続き、国内専門学会への参加等を利用して国内の研究者や実践者からの批判を受けることで、市民的共和主義の教育理論の可能性を着実に追究していく方針である。

次年度使用額が生じた理由

年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルスの影響により、当初計画していた英国からの研究者を招聘しての国際会議の開催などが実施できなかったためである。
使用計画としては、おおよそ、政治学関連資料30万円、教育学関連資料30万円、旅費80万円、その他(RA雇用費)40万円を考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] [書評]マシュー・フリンダース著、武田宏子訳『それでも政治を擁護する デモクラシーが重要な理由』(法政大学出版局・2023年)2024

    • 著者名/発表者名
      蓮見二郎
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3628 ページ: 2-2

  • [雑誌論文] 高等学校新科目「公共」教科書の政治学的分析:概念と探求課題2023

    • 著者名/発表者名
      蓮見二郎
    • 雑誌名

      年報政治学

      巻: 2023-II ページ: 82-105

  • [学会発表] 政治学における中立性:りべらるな国家とその批判(シンポジウム「政治的中立性を保ちつつどのように公民としての資質・能力を育成するか」)2023

    • 著者名/発表者名
      蓮見二郎
    • 学会等名
      第33回日本公民教育学会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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