研究課題/領域番号 |
19K02401
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
荒井 文昭 東京都立大学, 人文科学研究科, 教授 (40244404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教育政治 / ニュージーランド / 教育政策 / 学校理事会 / 教育の自律性 |
研究実績の概要 |
2022年度も昨年度につづき、コロナ禍により在外研究も国内調査活動もほとんどおこなえなかったが、コロナ禍の以前に収集しておいた文献と資料をもとにしながら、学校を基礎とした教育自治モデル構築に関する研究発表、論文の発表をおこなった。すなわち、研究発表としては、日本教育法学会第52回大会(龍谷大学)の研究総会において報告をおこなうとともに、論文としては、教育の自律性と教育政治のかたちについて分析をまとめて発表した。これらの研究成果の発表を通して、(1)「公正な民意」を欠いた教育委員会をめぐる課題、(2)現場の声を取り戻し、現場で決めていける仕組みを重層的につくる意味と可能性、そして(3)教育の自律性を支える教育政治のかたちを、調査を通してさぐる研究課題と方法について課題提起をおこなった。 (1)では、教育機関の管理運営に関わるはずの教育委員会制度が、その役割を十分にはたせていない状況が続くなかで、コロナ危機は多くの教育現場の声をさらに奪う状況を広めてしまったこと。 (2)では、現場ごとの自律的な判断によってコロナ危機下においても、教育機関ごとに判断していくことのできる仕組みの必要性。 (3)では、紛争をともなう、教育に関する集合的意思決定を教育政治と定義し、その決定過程を調査によって明らかにし、教育実践の自律性を支えることのできる教育政治のかたちを追求していくことが、教育政治研究固有の課題として設定されること。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度につづきコロナ禍で、予定していたニュージーランド現地調査、及び高知県奈半利町立奈半利中学校、都内の私立大東学園高校に関する現地調査などが、いずれも実施できなかった。 そのかわり、学校を基礎とした教育自治モデル構築に関して、コロナ禍前に収集できた文献と資料をもとにしながら学会発表、論文の発表をおこなえた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は最終年度となる。コロナ禍も収束しつつあるため、必要な追加調査を追求しつつ、これまで収集してきた資料の分析をまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、予定していた調査旅行がおこなえなかったため。最終年度となる今期では、すでに収集した資料をまとめていくために必要な物品を中心に執行していく予定。
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