研究課題/領域番号 |
19K02405
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
加藤 守通 東北大学, 教育学研究科, 名誉教授 (40214407)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ルネサンス・ヒューマニズム / 文学教育論 / マルシリオ・フィチーノ / コルッチョ・サルターティ / ルネサンスの人間論 |
研究実績の概要 |
前年度までの研究成果を前提として、フィチーノの思想そのものの解明に取り組んだ。具体的には、『プラトン神学』『饗宴注 解』『パイドロス注解』『書簡』そしてプラトンの翻訳といったフィチーノの諸著作の読解を通じて、「人間」「愛」「美」「芸 術」といった概念をはっきりと浮き彫りにさせ、それらに内在する教育的意義を検討した。これらの概念はフィチーノのプラトニズムの中核を占め、彼の人間形成論を 強く規定しているからである。 また、日本教育学会が発行する英文ジャーナル、Educational Studies in Japan: International Yearbook, No. 16 (2022, March)において、Discovering Educational Power of Literature: Coluccio Salutati and Motoori Norinagaという題で巻頭論文を執筆し、フィチーノを含むルネサンス・ヒューマニズムにおける文学教育の意義について、本居宣長の思想と比較しつつ、検討した。その結果、我が国の教育学研究において比較的なおざりにされていたルネサンス・ヒューマニズムが教育思想史において演じた重大な意義の一端を教育学の主要なジャーナルにおいて広く知らしめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度もコロナの影響で海外調査ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き文献調査を中心に進めるとともに、コロナの状況が改善するならば、国際学会などで研究成果を積極的に公表したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、国内外の学会に出張できなかったため。
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