本研究は、概ね15歳~18歳の「高校生世代」と概ね18歳~22歳を中心とする「大学生世代」を対象に、彼らが地域社会を舞台に取り組む活動を検証し、主体的な参加と継続的な活動を可能とする原動力を明らかにすることが目的である。 調査からは「自分たちで役割をみつけられる」「試行錯誤できる」「失敗がない」「なんでも言える雰囲気」「自分たちのペースでやれる」「学校では知りあえない人たちと仲良くなれる」など、マインドに関するコメントが多く得られた。キャリア形成やナレッジに関するコメントは得られなかった。 学校や地域での固定化された人間関係から切り離されていること、「活動の面白さや意義」が共有言語化されていることを背景に、ひとりの人として「承認」されている関係が、必然的ではない多様性と同質性が同居していることを明らかにした。また、「試行錯誤」「失敗を失敗としない」ことが保障されるからこそ、一つひとつ課題をクリアして実践を創りあげていっている。「学び/学習」の枠におしこめるのではなく、「あそび」という行為のなかで行えることの豊かさをもたらしているのである。 対等かつ一人ひとりを尊重できる関係構築を保障していくこと。そして、既存の評価尺度を持ち込まず、当事者間での共感・共鳴を尊重していくことで、相互理解と体験的な学びを保障していくことが、こども若者世代の地域活動を促進させる重要な要因であることを明らかにした。
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