研究課題/領域番号 |
19K02423
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
足立 祐子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (00313552)
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研究分担者 |
松岡 洋子 岩手大学, 教育推進機構, 教授 (60344628)
富谷 玲子 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (40386818)
宇佐美 洋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40293245)
今村 和宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特任教授 (80242361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教師教育 / 日本語教師の資質・能力 / リフレクション / 教師の授業対応力 |
研究実績の概要 |
2020年度は、まず、昨年度検討およびまとめたOECD-DeSeCoの示すコンピンテンスをものに、日本語教師に求められる「資質・能力」についての再定義を日本教師学会(2020年9月)で発表した。その際に、日本語教育以外の教師教育研究者と意見交換を行い、問題点を検討した。次に、日本語教師の(入門レベルの)授業中の行動分析について先行研究を含め再検討を行った。特に、学習者の反応等において教師が想定していなかった事態に対する教師の対応を具体的に検討した。その結果について図式化を試みた。これについては、研究グループ内で十分な議論を行い、日本語教育学会秋季大会(2020年11月)で口頭発表した。また、2つのテーマである、①教師の「資質・能力」②教室内の想定外の事態への教師の対応と関連する、省察(reflection)の検討と研究グループ内での合意のために議論を重ねた(主にドナルド・A・ショーンの『省察的実践とは何か』と『省察的実践者の教育』及びBurns & Richardsの『Second Language Teacher Education』について議論をした)。 今年度の研究成果として教育学、心理学、経営学の人材育成の研究を活用し、教師教育の段階的成長の具体化と省察との関連性について具体化を図ることができた。しかしながら、教師の態度・意識については検討を行ったものの、具体化は進んでおらず、来年度に課題とし最終的に教師教育の枠組みの具体化を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き、コロナ感染防止対策のため、教師研修を開催しデータ分析を行うことができなくなった。このため、研究方針を一部変更した。主に研究メンバーと先行研究のレビュー及び、教師教育に関する理論について議論を行った。特に、2点のことを時間をかけて議論し、本研究は成果を出すため順調に進んでいる。その2点とは、1.授業中に生じた想定外の事態に対する教師の行動のモデル化、2.教師教育において重要と言われているリフレクションについて 位置付け、である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は最終年度であるため、研究成果報告のために今まで議論してきた成果をまとめ、公表する予定である。教師教育者が活用できる教師教育全体を網羅したものを作成する。そのために、今後の計画は以下のとおりである。 1.今までの研究成果をまとめ、関連づける。 2.新しい言語教師教育の理論を参照し、日本語教育における教師教育の教育内容を網羅する。 なお、公表の方法は、学会等での口頭発表と、報告書作成を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染の問題があり、対面での活動ができなかった。そのため、予算を十分に執行できなかった。繰り越し予算は、次年度に報告書作成に使用し、研究成果を別の形で公表する。
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