民主党政権下の政治主導改革が「普遍主義」に基づく教育政策に与えた影響に関する研究

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K02426
• 研究機関: 信州大学
• 研究代表者: 荒井 英治郎 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (60548006)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 民主党政権 / 政権交代 / 政務三役 / 普遍主義

研究実績の概要

本研究の目的は、民主党政権で重視された政務三役制度（大臣・副大臣・政務官）が、教育政策の立案・決定・内容にどのような影響を与えたのかを分析することにある。特に、教育の機会均等の原則の観点から、全ての子どもを一律に支援する「普遍主義」に基づく政策の事例分析を行い、政治主導改革の功罪や普遍主義的政策の課題や可能性を明らかにすることを予定している。

初年度においては、第1に、政務三役制度に関する先行研究として位置付けられる政治学・行政学等の研究に関する各種文献資料の収集を行った。第2に、政務三役に就任した政治家の属性を分析するために、国会委員会経験、所属政党、選挙当落経験、派閥の所属、前歴等に関する基礎資料を収集した。第3に、政務三役が果たした役割を明らかにするために、テキスト分析の基礎作業として、国会審議等の発言履歴のアーカイブを行った。第4に、民主党政権時代における各種政策分野の状況を把握するために、教育分野以外の政策分野（医療分野、環境分野、福祉分野など）に関する雑誌記事検索を行い、文献複写依頼の作業を行った。
初年度は先行研究や関連文献の収集と共に、ヒアリング調査を先行実施する予定であったが、感染症の影響を受けて、年度末に予定していた県外出張を伴うヒアリング調査を実施することができなかった。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

先行研究や関連文献の収集と共に、ヒアリング調査を先行実施する予定であったが、感染症の影響を受けて、年度末に予定していた県外出張を伴うヒアリング調査を実施することができなかったため。

今後の研究の推進方策

今後、本調査研究の柱の一つであるヒアリング調査等をどの段階で実施可能になるか現時点では判断がつかないことから、文献資料の収集等を先行させ、かつ、その分析結果を踏まえた知見を踏まえた再分析を行うものとする。また、他分野における先行研究のレビューを先行させるものとする。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由：感染症対策として、当初予定されていた出張が全てキャンセル・延期せざるをえなくなったため。
使用計画：次年度使用額は、令和２年度請求額と併せて、出張旅費等として使用する予定である。