研究課題/領域番号 |
19K02428
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
板橋 孝幸 奈良教育大学, 学校教育講座, 教授 (00447210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 郷土教育 / 教育史 |
研究実績の概要 |
本年度は、近代日本郷土教育実践史に関するこれまでの研究を整理して、昭和戦前期郷土教育運動を中心に学校教育と社会教育の接続に関する研究の課題を検討するとともに、調査対象地域における資料収集を行った。 近代日本郷土教育実践史に関するこれまでの研究の整理については、『近代日本郷土教育実践史研究―農村小学校教員による地域社会づくり構想の展開―』を上梓した。同書では、昭和戦前期の農村小学校教員が郷土教育を軸に学校教育と社会教育をつなぎ、子どもから大人までを教育して、よりよき地域住民を育成しようとしたこれまでの研究をまとめた。当時、農村小学校教員の多くは実業補習学校・青年訓練所(のちに青年学校)の教員を兼務し、さらには地域の成人住民に対する社会教育も求められていた。そうした状況から、小学校教員は郷土教育を単に小学校内だけの実践と狭くとらえず、初等教育から成人教育までを対象に実践を構想していた。つまり、郷土教育が学校教育と社会教育をつなぐ役割を果たし、全年齢層の住民が地域社会づくりについて考えられる仕組みを作ったのである。 学校教育と社会教育の接続に関する研究の課題については、昭和戦前期の郷土教育研究、農村小学校と地方教育機関に関する研究の分析を通して、学校教育と社会教育のはざまに着目した整理を行った。こうした学校教育と社会教育をつなぐ研究を検討して、調査対象地域の資料整理と目録の作成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定していた研究計画を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナの影響で、資料収集・聞き取り調査が困難になっている。調査の実施が難しい場合は、昨年度までに収集した資料を整理して、今後の研究を進めるための資料分析作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響で、一部予定していた調査や物品の購入が難しかったため。
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