研究課題/領域番号 |
19K02432
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤岡 健太郎 九州大学, 大学文書館, 准教授 (00423575)
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研究分担者 |
永島 広紀 九州大学, 韓国研究センター, 教授 (50315181)
三島 美佐子 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (30346770)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 帝国大学 / 農学部 / 満洲 |
研究実績の概要 |
2019年度は、まず研究代表者・研究分担者3名でキックオフ・ミーティングを行い、それぞれの分担内容と研究の方向性や作業内容・スケジュール等について協議した。 作業としては、関係データや史料の調査・収集および整理に注力した。まず帝国大学農学部教官の満洲への出張状況について、各大学の刊行物や官報、国立公文書館や外務省外交史料館の所蔵史料等からデータを収集し、出張日程、訪問した場所、出張の目的・調査内容、資金の出所等をまとめた一覧を作成した(研究課題のうち「調査研究」「政策関与」の分析のベースとなるもの)。次に、満洲における各帝国大学農学部卒業生の活動状況について、人名録等の史料からデータを集め、出身大学や満洲での職歴等をまとめた一覧を作成した(同、「人材送出」のベース)。さらに、満洲への出張履歴のある教官については、満洲を対象とした研究論文等の著作物一覧を作成し、入手可能なものについては収集を行った(同、「調査研究」「政策関与」のベース)。そのほかの関係史料等についても調査・収集を行ったが、いずれも未収集のデータ・史料等があると考えられるので、今後も調査・収集作業は継続的に行う必要がある。 また、2019年10月に九州大学韓国研究センター主催の「国際ワークショップ 北東アジアの《緑化》と九州大学」のうち第1部「九州帝国大学/九州大学農学部と北東アジアの緑化」を共催した。この場では研究代表者・研究分担者3名が、これまでの各自の研究から本研究課題への展開に向けた報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集に関して、九大と京大の満洲出張一覧は既収集史料等や文献・オープンデータ等の利用によりかなり作成が進んだものの、北大と東大については、想定される出張者数に比して見つかった根拠史料の数が少なく、一覧は未完成と考えられる。これが遅れの最大の原因である。 また、年度末に予定していた台湾での調査全体と東京での調査の大半が、新型コロナウィルス感染症の影響で実施できなかったことも大きい。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度以降は未収集のデータ・史料等の調査・収集を続けるとともに、収集した史料・データの整理を進め、分析作業に移ることができるようにしていく。 今後の研究遂行上最大の障害になる可能性があるのが新型コロナウィルス感染症問題である。特に海外での史料収集はきわめて困難になるものと予想される。国内での史料収集も現段階ではめどが立たないが、オンラインで入手可能な史料の収集を進め、また研究代表者・分担者が所属する九大に研究対象を絞るなどして、できるだけ研究を推進していくようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる理由は2020年3月に予定していた台湾での調査が、新型コロナウィルス感染症の影響で実施できなかったことである。 感染症の終息が見通せない状況であるため使用計画も立てがたいところであるが、可能になれば台湾および中国での調査を実施するほか、国内での調査も行うこととしたい。
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