本研究は、「満蒙開拓青少年義勇軍」に応募した少年保護処分対象者の存在に焦点を合わせ、その募集・送出過程に関与した諸機関・諸団体の論理と送出の実態とを明らかにすることを目的とした。得られた知見は以下の二点である。 第一に、矯正院・少年教護施設において出院後の進路として提示された青少年義勇軍への応募は、陸海軍への現役志願と並び、当該期の少年保護処分対象者が更生した姿を自ら示してみせる手立ての一つであった。 第二に、応募勧奨活動の政策上の推移は、少年保護関係機関にとって国家の秩序の埒外に突出した者に対する矯正教育の達成の端的な指標は当面する国家目的への挺身であったことを証するものであった。
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