1.ガダマーの未刊の講演原稿や書簡等に依拠して、解釈学的研究の新たな展開の可能性を提示する点。これにより、日本ではもちろんのこと、海外でも希少価値を持つ教育哲学研究が可能になる。2.社会の多元性、文化の伝承と創造の過程を視野に入れたうえで、多文化社会にふさわしい教養教育の可能性を提示する点。これにより、教育学研究としての学術的貢献が可能になる。3.ストゥディウム・ゲネラーレの実態を分析することで、教育空間としての市民的公共圏が成立する歴史的・社会的条件を解明する点。これにより、専門諸科学の間の対話、大学と社会の間の対話という観点から、教養教育の制度的・実践的展開を促す議論が可能になる。
|