研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、近代日本において自己形成の中心的概念であった「修養」と「教養」の思想と実践を、明治期から昭和初期の学校教育に限定して検討し、歴史的に解明することである。研究開始から間もなくコロナ禍にみまわれたため、当初の計画通りに研究を進めることができなかった。そのため、既存の史資料を用いた研究へ変更した。具体的には芦田恵之助の修養概念の検討に限定し、芦田における修養の構造を素描した。
教育方法学 教育史
近代日本における「修養/修養主義」と「教養/教養主義」の解釈や定義は定まっているとは言えない現状がある。そのため、本研究において、明治期から昭和初期の学校教育に限定して「修養/修養主義」と「教養/教養主義」を検討し、相互関係を俯瞰できる座標軸を作成して特質を解明することには、十分な学術的意義があると考えられる。また、歴史的文脈に即して、これからの日本社会においていかなる「教養」が必要になるかの展望を得られることに、本研究の社会的意義があると言えるだろう。