研究課題/領域番号 |
19K02458
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
佐久間 裕之 玉川大学, 教育学部, 教授 (70235208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イエナ・プラン / イエナ大学附属学校 / インクルージョン / 混合(ミッシュング) |
研究実績の概要 |
本研究は、インクルーシブ教育の先駆的取り組みの一つであるイエナ・プランに着目し、その鍵概念の一つとなる「混合(ミッシュング)」の要因を調べ、それを日本におけるインクルーシブ教育システムの充実へと効果的に応用するための基盤づくりを目指している。当初、ペーター・ペーターゼン自身が行った「混合(ミッシュング)」によるインクルーシブ教育の先駆的な取り組み(1924~1950年)に関する文献・資料の研究と、ドイツ等での現地調査に基づく研究を遂行することが計画されていた。しかし、2021年度と同様に2022年度においても新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、現地調査を実施することができなかった。そのため、2021年度に引き続き2022年度も文献・資料による研究となった。その際、特にペーターゼンがイエナ大学附属学校長として取り組んだ最初期の教育実践記録『労作・生活共同体学校の諸原則に基づく基礎学校』(1925年)を中心として研究を行った。この研究を通じて、①最初期のイエナ大学附属学校において既に開始されていた男女混合の異年齢グループ編成によるインクルージョンの様子、②インクルージョンを支えたハンブルク生活共同体学校以来の諸原則と最初の教師ハンス・ヴォルフの方針(特に子供の自発性と自己選択の尊重)、③イエナ大学附属学校における子供・教師・親3者の関わり(特にイエナ大学附属学校の教育実践への親の関わり、親の役割)を把握した。その成果を論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要にも示したように、2022年度においても新型コロナウイルス感染症の影響が続き、当初予定していたドイツ等のイエナ・プラン実施校におけるインクルーシブ教育に関する情報・資料収集が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視しつつ、文献・資料の研究に加えて、国内外の資料収集及び現地調査の実施について検討し、今後の研究計画についても必要に応じて修正を行いつつ、当初の研究目的の達成を目指して善処する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績の概要に示したように、次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルス感染症の影響により、2022年度においても当初予定していたドイツ等での現地調査が実施できなかったためである。2023年度の使用計画として、新型コロナウイルス感染症の感染状況を見据えつつ、イエナ・プランとインクルーシブ教育に関する現地調査を含む国内外の情報・資料収集を策定・実施し、研究目的の達成へ向けて善処していく。
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