研究課題/領域番号 |
19K02460
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
高橋 陽一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (70299957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教育勅語 / 日本教育史 / 共通教化 / 皇国ノ道 / 日本精神 / 国民道徳 / 本文研究 / モノ |
研究実績の概要 |
計画初年度にあたる2019(平成31)年度においては、本計画のとおり、教育勅語に関する本文研究やモノの調査を開始した。さらに本研究に先行して期間延長(第5年度)が認められた基盤研究C「昭和戦前戦中期における日本精神論の興隆と退潮」(15K04252)と連動して、この段階における教育勅語研究を学術的な広がりを持つための学会交流活動を推進した。具体的には、教育史学会第63回大会(2019年9月27-28日、静岡大学)において、コロキウム「教育勅語を伝える」を小野雅章(日本大学教授)と共同で実施することができた。この成果は、『造形と教育』第14号(2020年1月)において、「特集Ⅰ 教育勅語を伝える」として掲載した。当該号では、小野雅章・高橋陽一「教育勅語を伝える ―コロキウムの趣旨と討議の概要―」、米田俊彦「教育史学会の声明・ブックレット、教育関連学会声明および日本教育学会WG報告書にかかわって」、小野雅章「教育史学会の声明と日本教育学会の声明およびWGの報告書にかかわって」、樋浦郷子「「教育勅語」の展示をめぐって」、須田正晴「『くわしすぎる教育勅語』を企画編集して」、伊東毅「特別の教科である道徳と教育勅語」、高橋陽一「討議のまとめと、これからの「伝えること」」として掲載した。同号は学内ルールにより本学の教育研究成果の刊行のため、本科学研究費の間接経費を使用して刊行した。 意見交換のための研究会には、伊東毅(武蔵野美術大学)、駒込武(京都大学)、竹内久顕(東京女子大学)、小幡啓靖(一般社団法人実践倫理宏正会)、小川智瑞恵(立教大学兼任講師)、田中千賀子(武蔵野美術大学非常勤講師)、小澤啓(総合学園ヒューマンアカデミー柏校非常勤講師)、斎藤知明(大正大学講師)らが参加(ネット参加を含む)した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は教育勅語本文、衍義書、原本などのモノを調査、データ収集する談会で会ったが、本研究に先行する基盤研究C「昭和戦前戦中期における日本精神論の興隆と退潮」(15K04252)と連動することで、教育史学会第63回大会(2019年9月27-28日、静岡大学)のコロキウム「教育勅語を伝える」を実施し、その成果を『造形と教育』第14号(2020年1月)において公表することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
第2年度においては、教育勅語本文研究やモノ(衍義書、原本、各種写本など)の研究をすすめるが、ソーシャル・ディスタンスの課題から、旅費等を使用した現地訪問調査が困難になっている実際がある。 こうした実情に即して、家鴨文庫収蔵の教育勅語衍義書など、学内で利用可能な原本資料を中心に予定通りの資料研究をすすめるものとする。また、意見交換のための研究会も、ネット会議システムを活用して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年1-3月期において予定していた調査旅行、会議、集中的に人件費を使用して行う入力作業などがソーシャル・ディスタンスの課題のために実施不可能となった。
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