研究課題/領域番号 |
19K02460
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
高橋 陽一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (70299957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教育勅語 / 教育史学 |
研究実績の概要 |
計画2年度にあたる2020(令和2)年度においては、計画のとおり、教育勅語に関する本文研究やモノの調査を継続した。ただし、新型コロナウィルスに伴う調査旅行や外部の文書館・図書館等の訪問調査が困難となり、研究室における文献調査やインターネット上の学会・研究会といったソーシャル・ディスタンスに留意した形態にならざるを得なかった。 文献調査としては、本年度も含めてあらたに収集した教育勅語衍義書、各種資料集および公開の照合、先行研究の論点整理などの研究室内で実施可能な調査を社会的状況から先行した。 研究発表としては、教育史学会第64回大会シンポジウム「芸術教育と教育史学」において発題を担当して「芸術概念は明白か―その統合と自由」と題して報告した。本科研との関係では、教育勅語における「美」の概念の意義、芸術の統制と奨励をめぐる国家政策の動向を論じた。この内容は2021年刊行予定の教育史学会『日本の教育史学』第64集に掲載予定である。また関連する業績としては、『チーム学校の教師論』(武蔵野美術大学出版局、2021年)の「第2章教師のあゆみ」において教育勅語をめぐる教育の動向について概説した。 意見交換のための研究会には、伊東毅(武蔵野美術大学)、駒込武(京都大学)、竹内久顕(東京女子大学)、小幡啓靖(一般社団法人実践倫理宏正会)、小川智瑞恵(立教大学兼任講師)、田中千賀子(武蔵野美術大学非常勤講師)、小澤啓(総合学園ヒューマンアカデミー柏校非常勤講師)、斎藤知明(大正大学講師)らが参加(ネット参加を含む)した。この研究会は4回にわたりウェブ開催をした。なお、このメンバーのうち、伊東毅と田名千賀子とともに教育史学会第64回大会準備委員会(合計5名)を組織して、上記シンポジウムを含む教育史学会第64回大会の武蔵野美術大学実施(ウェブ開催)を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査や発表は継続的に進んでいるが、文書館等への訪問、地方調査などについては新型コロナウィルス対策下で制約があった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においても基本的に文献調査を研究室内で実施できるものを中心に遂行する。教育勅語原本および謄本の残存状況については、資料上確認できる各学校・機関等に郵便やメールを持って照会する形で広範に調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年からの新型コロナウィルス対策下の状況から、調査旅行などの費用がなくなり、図書費用をなどを使用したが、全体としては次年度使用額が発生した。
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