研究課題/領域番号 |
19K02486
|
研究機関 | 京都医療科学大学 |
研究代表者 |
松尾 悟 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (80750843)
|
研究分担者 |
霜村 康平 京都医療科学大学, 医療科学部, 講師 (10638274)
森 正人 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (50378767)
水田 正芳 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (60829076)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 患者接遇 / 診療放射線技師 / マンガ / 臨床実習 / 教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、診療放射線技師を目指す学生が、短期間の病院研修であっても参加型の研修が出来るように、病院研修までに患者さんとの間で必要最小限の医療接遇(患者さんとのコミュニケーション)が出来るための教育教材の作成を目的にしている。現在の若者は、24時間、身体から離さず携帯電話を持っていることに着目し、医療接遇を漫画を使って表現し、携帯電話を利用して学習させるものである。 当該年度は研究を進めるためのデータ収集及びアプリケーション作成の期間でしたので、現時点で公表できる研究の成果はありません。現時点での研究の進捗状況は、①病院内の放射線検査において、実際に患者さんとの間で行われるコミュニケーションに関しては、概ね漫画に落とすことが出来た。②出来上がつた漫画を携帯電話(アンドロイド)上で閲覧できるアプリケーションを作成することが出来た。アイフォンに関しては、現在進行中である。③滋賀医科大学医学部附属病院放射線部、京都府立医科大学医学部附属病院放射線部の協力を得て、放射線検査中に生じた、患者さんからの質問やクレームを半年間データ収集して頂き、それらの質問に対する回答やクレームに対する対応方法をまとめることが出来た。 次年度は、当該年度に出来上がった部分を、本研究の速報という形で、近畿地域で開催される診療放射線技師学術大会、仙台で開催される全国規模の日本診療放射線技師学術大会において研究発表を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始1年目は、(1)患者さんが検査入室時から退出されるまでの流れを漫画化するためのストーリーの作成、(2)患者さんからの質問やクレーム対応についてのQ&Aを作成するための情報期間機関であった。 (1)に関するストーリーは、次の①~⑤に記載する5つの項目を考慮して作成した。①患者種別(外来、入院)、②性別(男、女)、③移動方法(独歩、車いす、ベッド)、④撮影部位2種類(X線単純検査は胸部と膝関節、CT検査及びMRI検査は頭部と胸部)⑤検査後の案内(会計、診察室、病棟)。①から⑤の項目を組み合わせると、1検査当たり72通りのストーリーが出来上がる。1ストーリー当たり、20~30コマの漫画に仕上げた。ただし、漫画に登場する診療放射線技師、看護師及び患者のキャラクターは現在、メーカに作成依頼中である。キャラクターの完成は2020年10月ころである。その後、漫画に修正を加えるため、漫画の完成はそれ以降になる予定。 (2)の患者さんからの質問、クレームに対しては、実際に滋賀医科大学附属病院及び京都府立医科大学附属病院の放射線部スタッフに協力をお願いし、単純X線撮影、CT検査、MRI検査で発生する質問、クレームを半年間調査して頂き、それらの質問やクレームに対する回答例の作成まで終了した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究2年目となる本年は、漫画の完成そして漫画を閲覧するための仕組みを作り上げる。漫画の閲覧は、携帯端末(Android、iPhone)を一番に考えている。フリーソフトのAndroid Studioを使用して携帯端末上で動作するアプリケーションを作成する。同様にiPhone上で動作するアプリケーションも作成する。問題は72種類×3検査の動画の保存先である。アプリケーション自体に動画ファイルを付随させると大容量となるため動作時に問題が生じる可能性が生じる。当大学内のサーバに保存する方法もあるがセキュリティの問題がある。そのため解決案として、全ての動画ファイル(AVI,MP4)をYouTubeにアップすることを考えている。携帯端末上のアプリケーションから患者情報(患者種別、性別、移動方法、検査部位、検査後の案内)を選択することで、YouTubeにアップした動画を閲覧できる仕組みに仕上げる予定である。 次に、研究成果の広報であるが、診療放射線技師の関連学会等で研究発表を行う。本年10月に開催される学術大会で研究成果の発表を予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今回の研究の大きな目的は、臨床実習前に漫画を使って患者接遇を学べる教育教材を作成することである。しかし、漫画は素人には簡単に書けるものではありません。誰もが簡単に漫画を描いて物語を作成できるソフトウエア―を探していたところ、ウエブテクノロジー社から販売されている「コミPo!」が該当しました。このソフトウエア―を使って作成した漫画の中で使用するキャラクター等に関して著作権等は発生致しません。従って、コミPoを使って作成した漫画は安心してどこにでも使用することができます。漫画の中で使用する既存のキャラクター(学校版、ビジネス版、子供版、その他多数)は安価に購入できます。 しかし、今回の教育教材に使用する医療従事者のキャラクターは作成されていません。そのため、新たに医療従事者のキャラクターを作成する必要があります。今回、診療放射線技師、看護師、患者(入院着)の3体のキャラクターが必要となります。この3体のキャラクターを作成するための期間が約1年、費用は思っていた以上に高額となります。ただ、この研究目的を達成するためには、これらのキャラクターの使用が必須になりますので、当初予定していた物品費や旅費の予算を抑えてでも作成する必要があります。前年度予算計上していた物品や旅費を抑えて次年度に繰り越し、これらの費用を含めてキャラクター作成費に充当することに致しました。
|