研究課題/領域番号 |
19K02489
|
研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
山川 肖美 広島修道大学, 人文学部, 教授 (40284137)
|
研究分担者 |
坂口 緑 明治学院大学, 社会学部, 教授 (10339575)
三浦 浩之 広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 教授 (80157437)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | シビックエンゲージメント / 学びから始まる地域づくり / 学習の社会的成果 / 市民力 / 協働のまちづくり / 学習都市 / 学習装置 / 社会教育 |
研究実績の概要 |
2022年度においては、次の3点で実績を重ねた。 1点目は、第2フェーズにおいて取り残してきた課題であるまちに広がる学習装置によってシビックエンゲージメント等が育まれる仕組みの再定位とその仕組みを推進する上での学習支援者の役割の検討である。シビックエンゲージメントを育む仕組みとして、広島県と連携・協働して、県内23市町のうち希望する市町に対して「広島版学びから始まる地域づくりプロジェクト」(ひろプロ)を2019年度より展開・支援してきた。2019年度より参画する1市1町(2022年度時点で4年目)、2020年度より参画する1町(2022年度時点で3年目)について、主となる学習支援者へのインタビュー調査を行い、シビックエンゲージメントの観点からひろプロの成果と成果の創出にかかる学習支援者の役割を把握・分析・考察した。その結果は、2022年11月の学会発表を皮切りに順次公表しているところである。 2点目に、社会教育の取り組みによりシビックエンゲージメントが機能しつつあるまちとして神戸市に着目し、行政課題・社会課題を受講生が自分事化していく過程の把握に努めているところである。これにより、学びの場を媒介とした行政側からの働きかけによる協働のまちづくりの進展の過程と協働のまちづくりを生む学習装置としてのKIITO(デザインクリエイティブセンター神戸)の存在意義を解明しつつある。 3点目に、シビックエンゲージメントを視点とした海外先行都市の実態調査である。市民大学ならびに学習都市による市民力の育成に着目をした調査をし、専門誌で成果報告を重ねてきた。 研究の成果は、それぞれの所属する学会ならびに本科研で主催する研究会で公表することと併せて、出版を視野に入れて論文として残してきている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、当初予定していた海外先進都市での調査が途上にある。 2023年度内の実現に向けて調整をしているため、再延長を申し出たところである。 また、2022年度実績のところで既述した「ひろプロ」による各市町・地域での学習の社会的成果とKIITOが創出してきた学びの場の社会的成果についてデータの解析途中であることから、2023年度はさらにデータを得て、解析を進める必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
1つ目に、シビック・エンゲージメントの観点から、「ひろプロ」の導入市町における学習の社会的成果の把握・分析を拡充することである。すでに調査を実施した先発の1市2町に加えて、後発の市町の調査データを得たいと考えている。 2つ目に、KIITOが創出し続けてきた学びと活動の好循環デザインによる社会的成果の分析を進め、その結果を公表していきたいと考えている。 3つ目に、これまでに得た知見と課題意識を整理したうえで、シビック・エンゲージメントの先進都市(アメリカ・ポートランド市やフィンランド・エスポ―市、イギリス・マンチェスター他が候補)の訪問を計画している。 以上を加えて本課題に関する研究を一区切りさせ、2022年度に採択していただいた研究課題へ繋いでいきたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度については、国内外の現地調査のための旅費と調査費(調査協力者謝金やデータ処理など)に使用する予定である。
|