本研究の成果として、「素質教育」の展開は教科外の学習を促進し、その担い手として人的・物的なリソースとして地域との連携が図られ、同時に既存の少年宮や社区学校でも子どもへの校外教育の受け皿を担っていたことが明らかになった。しかし、2020年に出されたいわゆる「双減」意見が、コロナ後の社会においてどんな影響を及ぼすのかについては、今後も注視していく必要がある。オンラインによる聞き取りでは、習い事による成績加点が一部廃止されたことや民間の教育産業が閉鎖されたことを受け、校外教育への関心も低下する一方で、子どもにとっては家庭学習の長時間化と保護者の監視強化に拍車がかかっているとの懸念が示されている。
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