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2022 年度 実施状況報告書

ドイツにおける「責任ある研究・イノベーション(RRI)」教育の制度論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02500
研究機関静岡大学

研究代表者

藤井 基貴  静岡大学, 教育学部, 准教授 (80512532)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード研究公正 / 学問の自由 / 研究倫理 / インテグリティ / 研究倫理教育
研究実績の概要

本研究の目的は、1)欧州並びにドイツにおける科学技術行政体制やRRIに関わる最新動向の情報収集・分析を行った上で、2)ドイツの研究機関および関連団体における若手研究者及び研究指導者に対する教育・研修プログラムの分析を進め、3)その知見を総合することによって、国際比較的な視座からRRI教育をめぐるドイツの動態と特徴を明らかにし、4)日本版RRI教育プログラムのモデル開発に貢献を果たすことにある。2022年度の成果は以下のとおりである。欧州並びにドイツにおける最新の取組状況に関する文献収集、データ分析、国内における取組に関するヒアリング調査を実施するとともに、関連する学会・研究会等において情報収集を進めた。欧州の取組状況については、研究会等を主催・参加することを通じて情報収集を行うとともに、ドイツの連携協力者とオンライン・ツール等により意見交換を行った。また、国内では研究公正における重要研究領域となる医学系研究の関係者と意見交換を重ねるとともに、日本臨床リカレント教育研究センターの立ち上げに協力し、これまでの研究成果をもとにして同センター研究倫理審査委員会の委員長として医療系研究の倫理審査に関わる実務を担当した。日本型RRI教育プログラムのモデル開発にあたっては、先行する他分野におけるインテグリティ教育を検証するとともに、教材開発の理論構築を進めた。その一環として学校における道徳教育やスポーツ分野での倫理教育に関する理論的貢献を果たすとともに、当該分野への教材提供を行った。また、オンライン型及び対話型を併用した研究倫理教育の実施にむけて、ブレンディド・ラーニングに関する理論研究を行うとともに、哲学対話等の実践研究の方法論についても検討した。これらの成果については、国内の大学等における研修で紹介するとともに、研究会等で報告を行い、論文や書籍として公開した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文献収集やデータ分析、これまでの成果報告などについては概ね順調に進んでいる。予定していたドイツでの現地調査については、covid-19の影響により先方の連携機関と日程の調整がつかず、最新の動向について情報収集・意見交換ができなかった。その代わりに国内におけるRRI教育プログラムモデルの開発に向けたインタビュー調査や基礎作業を進めることができた。

今後の研究の推進方策

欧州における最新の研究動向の把握については、関連機関のウェブサイトの閲覧及びオンラインによる会議を活用して調査の一層の拡充を図る。あわせてドイツ大学長会議の文書資料室のランペ博士から配信される文献情報をもとに、継続して関連分野のEジャーナルやオープンアクセスとなっている論文を収集し、共同研究者とともに翻訳や検討を行う。また、欧州圏の研究公正システムの制度化や「責任ある研究とイノベーション(RRI)」の取組に関わる最新動向については海外調査を実施し、情報収集・意見交換を行う予定である。日本型RRI教育プログラムの開発にあたっては、国内での試行的な実施を重ねるとともに、2022年度11月に発足した「研究倫理・研究公正に関する研究会」の場を活用して情報発信及び意見交換を進める。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の感染拡大により海外渡航及び国内での調査が予定通り行うことができなかったため次年度使用が生じた。2023年度には予定されていた国内の研究機関への出張および欧州への渡航を計画・実施し、申請当初の予定に準じて予算を執行する。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ドイツ大学長会議/ドイツ研究振興協会/フンボルト財団(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ドイツ大学長会議/ドイツ研究振興協会/フンボルト財団
  • [国際共同研究] オウル大学(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      オウル大学
  • [国際共同研究] オマハ大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      オマハ大学
  • [国際共同研究] ソガン大学(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      ソガン大学
  • [雑誌論文] 日本における「ブレンデッド・ラーニング」の研究動向 : ポストコロナ時代の国際教育再構築に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      濤岡 優、藤井 基貴、小野 詩紀子、堀江 未来
    • 雑誌名

      静岡大学教育実践総合センター紀要

      巻: 33 ページ: 21~31

    • DOI

      10.14945/00029420

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 高校公民科「公共」における哲学対話(P4C)の可能性 : 教科書分析を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      藤井 基貴
    • 雑誌名

      静岡大学教育実践総合センター紀要

      巻: 33 ページ: 144~151

    • DOI

      10.14945/00029433

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] SDGsをテーマとした国際共修 : フィンランド・オウル大学とのオンライン短期プログラムの成果と課題2022

    • 著者名/発表者名
      濤岡 優、藤井 基貴、植松 希世子
    • 雑誌名

      静岡大学教育学部研究報告. 教科教育学篇 = Bulletin of the Faculty of Education, Shizuoka University. Educational research series

      巻: 54 ページ: 211~224

    • DOI

      10.14945/00029272

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 哲学的大学像の再考 : デカルト、カント、サクラエビ2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 雑誌名

      近代教育フォーラム = Forum on modern education

      巻: 32 ページ: 73-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代的な諸課題に道徳教育はどう応えるか ―「防災道徳」の授業開発から考える―2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 雑誌名

      道徳と教育

      巻: 342 ページ: 89-99

    • 査読あり
  • [学会発表] 「ブレンデッド・ラーニング」の概念形成に関する考察―ポスト・コロナ時代における異文化間教育実践の「再」構築に向けて―2022

    • 著者名/発表者名
      堀江未来・藤井基貴・小野詩紀子・松本哲彦
    • 学会等名
      異文化間教育学会
  • [学会発表] 国際教育交流分野における「第三領域(third space)の研究―日本における近年の研究動向と人事公募の現状と課題について―2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴・高木ひとみ・太田知彩・星野晶成
    • 学会等名
      異文化間教育学会
  • [学会発表] 世界市民主義とパトリオティスムス ― カントとその周辺の教育思想2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 学会等名
      教育哲学会
  • [学会発表] 品性教育の理論に基づくスポーツ・インテグリティ教材の開発・普及・評価2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 学会等名
      2021年度日本卓球協会スポーツ医・科学委員会研究発表
  • [学会発表] 道徳教育と防災教育2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 学会等名
      日本道徳教育方法学会
    • 招待講演
  • [図書] スポーツ・インテグリティ入門(卓球編)2022

    • 著者名/発表者名
      藤井基貴
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      静岡大学現代教育研究所
  • [図書] 続・道徳教育はいかにあるべきか2022

    • 著者名/発表者名
      道徳教育学フロンティア研究会編(走井洋一, 水野雄司, 貝塚茂樹, 江島顕一, 緒賀正浩, 桑嶋晋平, 高宮正貴, 古川雄嗣, 酒井健太朗, 馬場勝, 荒木寿友, 藤井基貴, 木下美紀, 木原一彰, 荒木, 西野真由美, 足立佳菜, 関根明伸 )
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094820
  • [備考] 静岡大学教育学部藤井基貴研究室

    • URL

      https://wwp.shizuoka.ac.jp/emfujii/

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公開日: 2023-12-25  

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