研究課題/領域番号 |
19K02501
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
江頭 智宏 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (40403927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ドイツ無宗派福祉事業連盟 / 学校田園寮活動 |
研究実績の概要 |
令和2年度は新型コロナウイルスの影響によって渡独がかなわず、予定していたドイツ・カリタス連合ならびにドイツ・ディアコニーの文書館および図書館などでの史料収集が全くできなかったため、令和元年度に収集したドイツ無宗派福祉事業連盟(DPWV)関係の史料や、学校田園寮活動関係の史料に依拠しながら、改めて第二次世界大戦後のドイツ無宗派福祉事業連盟と学校田園寮活動の関係性を追った。具体的には、DPWV側のものとしてはDPWVが多岐に亘るテーマをもって1949年から1996年まで不定期に発行してきた小冊子『ドイツ無宗派福祉事業連盟著作集』を、学校田園寮関係のものとしてはドイツ学校田園寮連盟の機関誌『学校田園寮』をそれぞれ取り上げ、『ドイツ無宗派福祉事業連盟著作集』の中に見られる学校田園寮に関する記載内容と、『学校田園寮』の中に見られるDPWVに関する記載内容を検討した。そしてそうした作業を通して、DPWVにおいては学校田園寮が病院や医療機関等と同じ範疇の「健康福祉」を担う機関として位置付けられていたことや、DPWVに関わる医師や医療関係者が学校田園寮活動を高く評価していたことなどを明らかにし、学校田園寮活動の裾野の広さを示すと共に、教育活動と福祉事業の間の興味深い連携を論じた。 また加えて、DPWVと学校田園寮活動との関係に関わって、令和元年度に収集した史料を基に、DPWVのヘッセン州連盟に独自に加盟していた「フランフルトのヴェクシャイデ学校田園寮財団」の1945年~1955年までの歴史を検討したことも本研究の成果の一部として挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の申請時には全く予期していなかった新型コロナウィルスの影響で、本研究の大きな柱にあるドイツの文書館や図書館での史料収集ができなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度もドイツ国内での史料収集が難しいと判断されるため、日本国内でも入手可能な文献や資料を駆使しながら進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた最大の理由は新型コロナウイルスのために本研究の核となるドイツでの史料収集ができず外国旅費としての支出が一切なかったことによる。令和3年度こそ令和2年度分も含めて渡独したいと考えているが、もし渡独が依然として困難な場合は、本研究に関わる文献の購入等に予算をシフトしたいと考えている。
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