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2019 年度 実施状況報告書

社会関係資本創出を想定したFourth Ageへのジェロントロジー教育の展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K02512
研究機関実践女子大学

研究代表者

細江 容子  実践女子大学, 生活科学部, 教授 (30272876)

研究分担者 水野 いずみ  実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (20407216)
高橋 桂子  実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
大澤 朋子  実践女子大学, 生活科学部, 講師 (70631985)
越山 沙千子  実践女子大学, 生活科学部, 助教 (80823856)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード社会関係資本 / Fourth Age / ジェロントロジー教育 / ICT学習 / 生涯学習
研究実績の概要

2022年には団塊の世代がFourth Ageに移行し、今後20年でその数は倍増する(1000万人増)とされている。この世代へICT教育を通じてジェロントロジー教育を行うと同時に、ICTを用いて人とのより良い社会関係(直接的・間接的)を築き、肯定的高齢者像を創造し自己肯定感を持って地域と関わり健康寿命を延ばすことは、超高齢社会の日本における喫緊の課題であるといえる。本研究の目的は、人生100年時代のライフステージを想定した地域社会において、身体的機能の弱まるFourth AgeにおけるICT学習とその利用・活用による生涯学習を通してのジェロントロジー教育のプログラム展開と、それを通じての社会関係資本の創出である。具体的には、University of Texas Health Science Center at San Antonio(UTSHC)の協力により、最新のジェロントロジーに関わる情報収集を基に、他分野研究者による協力・共働のもと、生涯学習場面でFourth Ageにわかりやすく翻訳・開発されたプログラムを展開し、新たなる高齢者像創造を目指し、University of Pennsylvania(UPenn)との研究協力により社会関係資本を地域に創出することである。
下記、今年度明らかにしようとした事柄である。
1)これまでの研究により作成された生涯教育におけるジェロントロジー教育理論の枠組みに基づき、ICT利用によるFourth Age向けの生涯学習におけるジェロントロジー教育の教材開発とその展開を進めた。
2)UTSHCの協力を得て、医学・看護教育ですでに利用されているiPad等での教育方法を参考に、H市で、NPO 法人サイバーシニアーズ・ジャパンとの協働でICT利用・活用による学習を進め、それを基にFourth Age のジェロントロジー教育モデルを展開した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗状況を、「研究実績の概要」でも示した下記1)、2)の項目を基に述べることとする。1)に関しては、「新たなる肯定的高齢者像を創造する」という内容について、これまで想定できなかった「人生100年時代の高齢者像」ということに関して、新たな学術的研究が蓄積段階であるということと関わり、研究に関する遅れが否定できないと考える。2)に関しては、11月12月に下記H市高齢者対象のPC教室を実施し高齢者対象の教育へのノウハウを得ることができたといえよう。しかし、それを基にFourth Age のジェロントロジー教育モデルを完全に展開するまでには至っていないと考える。
下記、今年度明らかにしようとした事柄
1)これまでの研究により作成された生涯教育におけるジェロントロジー教育理論の枠組みに基づき、ICT利用によるFourth Age向けの生涯学習におけるジェロントロジー教育の教材開発とその展開を進める中で、新たなる肯定的高齢者像を創造する。
2)UTSHCの協力を得て、医学・看護教育ですでに利用されているiPad等での教育方法を参考に、H市(すでに筆者が委員会の委員長として協働している)で、NPO 法人サイバーシニアーズ・ジャパンとの協働でICT利用・活用による学習を進め、それを基にFourth Age のジェロントロジー教育モデルを展開する。

今後の研究の推進方策

今年度の研究が一部十分ではなかった部分、1)の「新たなる肯定的高齢者像を創造する」という事柄と、2)のFourth Age のジェロントロジー教育モデルの展開をさらに進める。また、研究目的である下記の事柄に関して今後研究を展開していく予定であるが、COVIT-19の問題で海外の大学との研究協力がどの様に実現できるか予測できない状況であるため研究への不安を抱えているという現実がある。
1)欧米の実践的プログラムの調査・研究の評価を基に、ICT利用によるジェロントロジーの教育の実践的展開がFourth Ageの心身の健康と社会関係資本にどのような影響を与えるかUPennの協力を得てアクションリサーチを用いて研究を進める。
2)ICT利用によるFourth Ageの生涯学習に即したジェロントロジー教育を展開させるため、その研究・教育実践が進んでいるアメリカのUTSHC等での研究と教育実践プログラムに基づき、ウェブページ作成上の問題等を分析し、そこで得られた知見を考察に大学のウェブページ上の展開につなげる。

次年度使用額が生じた理由

現在までの進捗状況で示した様に、1)に関しては、「新たなる肯定的高齢者像を創造する」という内容について、これまで想定できなかった「人生100年時代の高齢者像」ということに関して、新たな学術的研究が蓄積段階であるということと関わり、2020年3月にアメリカUTSAとの情報収集・共同研究のためアメリカに出張する予定で航空券の予約も行っていた。しかし、COVIT-19によりそのことが不可能となった。以上のことから、海外での新たな学術的研究情報の不備があり研究への遅れと研究費の未使用が生じている。2)に関して、日本国内の高齢者対象の教育へのノウハウを得ることはできたが、アメリカへの出張で海外でのノウハウの入手が不可能となり、それを基にFourth Age のジェロントロジー教育モデルを完全に展開するまでには至っていない。今回のCOVIT-19の問題は研究に多くの時間をさくことのできる春休みにスタートしており、本研究の進捗状況と研究費の使用に大きな影響を与えているといえる。来年度の研究においてもCOVIT-19の問題は進捗状況に影響を与える可能性のあることが否めないとの不安を持っている。
したがって、2020年度においてはこの遅れを取り戻すべくアメリカUTSAへの出張で海外でのノウハウを入手し、それを基にFourth Age のジェロントロジー教育モデルを完全に展開する予定である。よって、アメリカ出張時の研究調費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Career Preparation of Female University Students and its Psychosocial Factors: Do their career self-efficacy and resilience forecast their progress of self-evaluation of career preparation activities?2020

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi Mika, Takahashi Keiko, Awazu Shunji, Yokoo Akiko, Takeda Hitomi, Suzuki Masao, & Hiroi Tazuko
    • 雑誌名

      実践女子大学下田歌子記念女性総合研究所年報

      巻: 第6号 ページ: 35-50

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Japanese fathers’ intention to cooking: associations with maternal gatekeeping, family money management, and learning experiences of opportunity cost2020

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Keiko, Kuramoto Ayako, & Kurokawa Kinuyo
    • 雑誌名

      実践女子大学生活科学部紀要

      巻: 57 ページ: 67-71

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Is Family Life Education at School in Japan effective for Japanese fathers? Focusing on Co-educational Home Economics Education and Intention to Do Household Work2020

    • 著者名/発表者名
      Kurokawa Kinuyo, Takahashi Keiko,& Kuramoto Ayako
    • 雑誌名

      鳴門教育大学研究紀要

      巻: 35 ページ: 343-349

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 女子大学生のリーダーになることへの自信:日常場面と逆境場面で規定要因は異なるか2019

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・小林史奈
    • 学会等名
      日本家政学会
  • [学会発表] Research on Financial Knowledge of University Students Attending Middle-Ranking Universities in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Kanie Noriko , Keiko Takahashi, Shintaro Abe, Takenori Inose, Nobuteru Kadomoto & Yumiko Nakano
    • 学会等名
      ARAHE
  • [学会発表] 金融経済知識を規定する行動特性は何か?2019

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・阿部信太郎・猪瀬武則・中野裕美子
    • 学会等名
      経済教育学会
  • [学会発表] 日本の大学生の金融リテラシーの現状と課題: 計量分析から見えてくること2019

    • 著者名/発表者名
      髙橋桂子・阿部信太郎・猪瀬武則・中野裕美子
    • 学会等名
      経済教育学会
  • [学会発表] 日本の大学生の金融リテラシーの現状と課題: 米国の標準テストによる測定結果の分析2019

    • 著者名/発表者名
      阿部信太郎・髙橋桂子・猪瀬武則・中野裕美子
    • 学会等名
      経済教育学会
  • [学会発表] Do behavioral characteristics affect the score of financial literacy among Japanese students?2019

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Keiko, Shintaro Abe, Nobuteru Kadomoto, Noriko Kanie & Yumiko Nakano,
    • 学会等名
      CEE

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公開日: 2021-01-27  

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