研究課題/領域番号 |
19K02535
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
小針 誠 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (90388067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国立・私立小学校 / 家族の教育戦略 / 社会階層 / 学校経営 / 多様性 |
研究実績の概要 |
2022年度(令和3年度)は、以下に記す事情等により、調査・研究を進めながらも、予定していた発表に至ることはなかった。その結果、当初の計画より、大幅に遅れていると言わざるをえない。
第一に、2021年4月から9月に実施した質問紙調査「国立・私立小学校の入学志向に関する実態調査」を継続して分析した。本調査は、首都圏・関西圏36の幼児(受験)教室を経由して、子どもを通わせる保護者2,260名に配付、645通の有効回答が得られた(有効回答率28.5%)。この分析を本年度も引き続き行った。20年前の2000年と比較して、一家庭内の少子化が一層進行しながらも、受験予定校数が減少していたり、両親のさらなる高学歴化が影響し、その子どもに対する高い学歴志向が窺われること(そのため大学附属校や中学受験実績校の志願者数が増えている)、その一方で公立学校に対する不信感や教育改革へのネガティブな反応が低下するなど、新たな傾向を見出すことができた。 第二に、都市部における公立小学校の統廃合問題をめぐって、横浜市と名古屋市を調査対象にデータ蒐集を行った。学校統廃合は子ども数の減少のみならず、都市部においては私立学校の選択による離脱なども統廃合に与える影響は決して小さいものではない。他方で、都市部では、高層マンションの乱立なども見られ、小学校区別の児童数に著しい格差が生じている点も見逃せない。こうした点を推定人口・在学者等のデータベースから、明らかにする予定である。 第三に、本研究課題に関連して、共同で日本語コミュニケーションに関するテキスト『日本語表現&コミュニケーション 改訂版 社会を生きるための22のワーク』を作成、刊行した。また、教育と子どもの歴史に関する通史についての研究を進め、原始時代から2020年代までの教育と子どもについて調査・執筆した。これについては、2023年度中に単著として刊行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画当初は予期しなかった問題やトラブルが発生したため、本研究課題の進捗状況は「遅れている」と判断せざるを得なかった。
第一に、心身の不調や疾病による入院などにより、療養期間を要したことから、当初予定していたデータ分析、資料蒐集、研究発表が十分に行えなかった。
第二に、2022年度に、本研究課題(小学校受験・入試)に関連して、ある研究者(大学教授)の著書、論文、科研費報告書、その他(学会要旨集録等)の既発表物において、小針が先行して発表した研究業績の表現の剽窃、アイディアの盗用、データのねつ造などの疑いが少なくとも計7点確認され、2023年1月23日に当該研究者の所属研究機関(大学)、文部科学省、日本学術振興会の各関係部署に対して、特定研究不正の疑いを告発、被告発者の所属研究機関における予備調査を経て、2023年5月現在、本調査が行われている最中である。2022年度は、研究不正の疑惑の発覚から告発に至るまで、相当に煩雑な確認作業とそのための膨大な時間を要したこと、そしてその心労により心身の不調や疾病を得たことが本研究課題の当初計画の未達成や進捗の遅れにつながった。告発中の研究不正調査の結果や被告発者の既発表物に対する措置・対応が明らかになるまでの間、小針は、当該研究者の既発表内容を先行研究として位置づけることが困難であると判断し、本研究課題に関連する論文や著書または学会発表など、外部に対して研究発表を行えない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、健康不良に加えて、特定研究不正の告発・調査に関わらざるを得なくなったというふたつの事情により、当初計画していた研究活動が十分に進捗しなかった。そのため、2023年度は助成金の残額無しのまま、補助事業期間を延長し、引きつづき本課題の研究に従事することにした。告発、調査中のの研究不正の調査結果をまって、論文を各種紀要等に発表したり、単著をまとめ、刊行していく予定である。
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