①中学校、高等学校でのキャリア教育プログラムの実践 2023年度においては、これまで構築したキャリア教育プログラムについて、研究協力校である国内の離島の公立中学校において、2021年度より実践を開始していた。これまではコロナ禍の影響もあり、現地視察が難しい状況であったが、昨年度から今年度にかけては、現地中学校に赴き、実際の授業の様子を見て、担当教諭の協力の下、教育プログラムの内容、授業方法、授業資料、授業の配置についての見直しを行った。今年度においては、最終年度ということで、「全員活躍社会」に寄与する3年間のキャリア教育プログラムを完成させた。 ②中学校、高等学校でのキャリア教育プログラムの効果測定 2021年度から実施を開始した3年間プログラムが2023年度で完成年度を迎えた。中1から3年間6時点で調査したデータも出そろい、3年間の知識・技能、思考・判断・表現、地域への意識、キャリア意識の変化の結果を出すことができた。単発のキャリア教育の授業においては、なかなか定着がみられない状況であったが、総合的な学習の時間といった正課の授業内で3年間の教育プログラムとして設計することで、一定の定着がみられることがデータから明らかになった。また、ジェンダーの視点からも、男女間に偏りのないキャリア意識の構築がみられている。課題としては、条件の異なる学校での実践には至らなかったことである。人口や地理的環境、社会構成の異なる地域の学校での実践を通して、さらなる「全員活躍社会」に寄与するキャリア教育プログラムの構築を試みていきたい。
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