研究課題/領域番号 |
19K02538
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
玉井 昇 獨協大学, 外国語学部, 教授 (70527118)
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研究分担者 |
川崎 典子 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00775801)
渡辺 幸倫 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (60449113)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ミクロネシア連邦 / パラオ共和国 / マーシャル諸島共和国 / 歴史教育 / 社会科教育 / 教育事情 / 国際関係史 / オンラインインタビュー調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本と歴史的に深い関係を持つパラオ共和国、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国を中心とした「ミクロネシア地域」の歴史教育を対象としている。 2019年度は文献研究から開始したところ社会科教育自体を扱ったものですら限定的であり、使用教科書の調査から開始した。2019年8月にパラオを訪問、2020年3月にマーシャル諸島での調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染拡大で延期した。2020年度も現地渡航の禁止が続いたためオンライン調査を行い、8月にはマーシャル諸島の教育省担当者2名を講師に招き、公開オンラインセミナー/聞取り調査を実施した。パラオについては現地調査の一部を整理し『国際教育』(第26号)にて公表した。 続く2021年度も感染は収束せず、引き続きオンラインにて調査を進めた。特に、ミクロネシア連邦に関して基礎的な情報収集を行い、8月上旬に同国教育省の担当者を講師に公開オンラインセミナーの形で聞取り調査を行った。続く8月下旬には、パラオについても同様に担当者を講師として公開調査を実施した。その調査結果を報告書として12月末に発行し、関係各所に配布し、電子媒体としても一般公開した。この機会に内外での新たなネットワークを開拓し、定期的にオンライン研究会も実施しながら、一部成果を国際学会等で発表した。 こうしてコロナ禍にあっても、当初予定していた一次調査に近い成果を上げることは出来た。他方で、オンラインでは把握しにくい教育現場の調査に関する課題も浮上したため、期間を延長し遠隔での追加調査は継続しつつ、現地調査が可能になるよう渡航制限の解除を望んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述の通り、初年(2019)度予定していた理論研究、調査準備はおおむね計画通り行うことができた。現地調査に関しては2019年8月にパラオでの一次調査で一定の成果を上げることができたものの、2020年3月に予定していたマーシャル諸島での調査は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で延期せざるを得ない状況になった。次年(2020)度も、新型コロナによる渡航禁止が続いたため、現地教育関係者とコンタクトを取りながらのオンライン調査に止まった。しかし、継続的なインタビューの実施をはじめ、セミナーや研究会等の実現により、現地調査が出来ない状況下で行った基礎研究としては予想以上の成果を上げることができた。 最終年(2021)度も、渡航制限が続いたため、当初の計画通りの調査を実行するのが困難であったが、前年度の経験を活かし予定していた調査対象国すべてについて、公開セミナーを含むオンライン調査を実施した。結果として、一次調査に近い成果を上げ報告書にまとめることが出来た。他方で、調査過程を本研究メンバー内に止めるのではなく、オンラインの特性を活かし一般公開することで新しい研究調査と成果還元の一端を示すこともできた。しかしながら、実踏調査でないとなかなか把握しにくい個々の教育現場の実態など、自ずと遠隔調査の限界も見えており、フォローアップの調査の必要を痛感し期間を延長している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査を基礎に、渡航制限解除後すみやかに現地調査を実行する。 オンライン調査から得られた成果も加味しながら、とくに現地調査未実施のミクロネシア連邦とマーシャル諸島を最優先に当初予定していた二次調査の準備をしていく。パラオについても可能な限りフォローアップを含めた二次調査を実施する。 しかしながら、現状では今夏も渡航制限が継続される可能性も視野に入れざるをえない。そのため、引き続きインターネット等を介した現地関係者へのフォローアップ調査を行い、とくにここまでの調査課題となった教育現場への聞取り調査の方法を模索する。他方で日本在住の現地出身者への調査なども探りながら、できる限り本研究の趣旨に沿った調査ができるように留意していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り新型コロナウィルス感染拡大により現地への渡航が禁止され、予定していた調査をさらに次年度へと延期せざるを得なかったため。
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