研究課題/領域番号 |
19K02547
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
石川 裕之 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 准教授 (30512016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 才能教育 / 教員養成 / 教員の資質能力開発 / 韓国 |
研究実績の概要 |
本研究の1年目となる平成31(令和元)年度は、関連文献・資料の収集・分析など基礎的な研究をおこなった。また、アメリカ・ナッシュビル市で開催された世界才能教育学会に参加し、研究課題に関わる情報の収集をおこなった。その結果、以下のことが明らかになった。才能教育関連法令である英才教育振興法施行令には才能教育担当教員の任用・配置・勤務条件等に関する事項が示されている(第26・27・28・29・30・31条)。法令で定められた才能教育機関では、一般教員だけでなく大学や研究所の教員・研究員を兼任として受け入れることも可能となっていた。しかし、こうしたケースはほぼ英才学校や英才教育院に限られており、英才学級の場合は設置学校の教員が才能教育担当教員を兼任することが多いなど才能教育機関の種類によって異なっていた。また、才能教育担当教員については一般教員に課されている転任規程の例外扱いとなり、必要な場合は特定の学校に継続的に勤務することが可能となっていた。さらに昇進などにおいて一定の優遇措置を受けられることなっており、これらは一般教員が才能教育担当教員を兼任する際の1つのモチベーションとなっていると考えられた。さらに、才能教育担当教員に定期的な研修の機会を提供することが国および地方自治体の義務となっており、才能教育担当教員の専門性の向上を公的に支えるシステムとして機能していた。一例として韓国教員研修院が実施する才能教育担当教員研修の内容を調べたところ、才能教育の歴史、才能児の判別、教育プログラム、教授・学習法、カウンセリングなど総合的なものとなっており、約1か月をかけて60時間の研修を受けるという充実したものとなっていた。ただし研修期間は学期中であり、職務研修として認められるとはいえ研修に割く時間と労力をどのように確保しているのか等、今後現地調査・インタビューを通じて把握する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連文献・資料の収集・分析についてはおおむね計画通り進展したが、新型コロナウィルスの影響で3月に予定していた現地調査を断念せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度計画していた韓国首都圏・北東部の調査は、次年度に新型コロナウィルスをめぐる状況が終息したのち実施する予定である。また、次年度に計画している中部の調査も同時に進めたいと考えている。次年度は特に才能教育担当教員の養成に関する調査・分析に重点を置いて進める予定であり、調査対象地域の国立教育大学に設置されている才能教育関連科目の状況について把握することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で、今年度計画していた現地調査が実施不可能となったことが次年度使用額が生じた理由である。これについては次年度請求分と合わせ、新型コロナウィルスをめぐる状況が終息したのちに今年度と次年度の分の現地調査を並行して実施することで使用する計画である。
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