研究課題/領域番号 |
19K02548
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研究機関 | 関西女子短期大学 |
研究代表者 |
西 美江 関西女子短期大学, その他部局等, 教授 (20515895)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | linked learning / college and career / relevance / detracking / curriculum integration / partnerships |
研究実績の概要 |
2019年度は、脱トラッキングのハイスクール改革を目指すLinked Learning(関連づけられた学び)における公正さ(equity)と、レリバンス(relevance)の重要性に関する分析を中心に行った。 Linked Learningは、進学とキャリア双方への準備を行う産業別キャリア・パスウェイを学区主導で導入する取り組みであり、従来の進学か就職かによるトラック分けを行わず生徒の在籍における異質性を重視している。それは、人種・民族や英語学習者等の不利な立場にある生徒への配慮を重視するもので、到達度格差の解消を目指す公正さに配慮した実践といえる。 Linked Learningはまた、アカデミックな教育と職業教育の統合だけでなく、仕事を基盤とた学習(work-based learning)を重視して学校と学校外の学びの結合を強調している。それは、進路選択が重要な教育課題となっている後期中等教育において、実社会へのレリバンスを重視することの重要性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、3月に予定していたカリフォルニア州への現地調査を中止したが、Linked Learning(関連づけられた学び)における公正さ(equity)を取り上げた論文を執筆するとともに、アカデミックな教育と職業教育の統合カリキュラムにおけるレリバンス(relevance)に関する論考を出版することができた。また、12月に国内の職業教育研究者との研究会を開催したことで、意見交換を通じた問題意識の深化が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はまず、Linked Learningの開発の基礎となったキャリア・アカデミーについて、その到達点と限界を論文にまとめる。今年度も新型コロナの影響で現地調査の実施が危ぶまれることから、まずはLinked Learningの基本理念に関する検討を文献研究を中心に行い、関連分野も含めた情報収取を実施する。その際、キャリア・アカデミーの到達点と限界をLinked Learningがどう乗り越えたかという視点から分析を進める。アメリカでも休校により、ウェビナー等を通じた教師向けの研修や情報提供が盛んに行われていることから、そうした機会を活用しつつ現地調査の機会を窺う。Linked Learningの実態の解明は現地調査が可能になってからとなるが、予定している3つ地域について情報収集を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月に予定していた現地調査を中止した。 本年度、状況を見て可能と判断できれば調査を実施する。
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