研究課題/領域番号 |
19K02553
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
額賀 美紗子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60586361)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 移民家族 / 教育関与 / 日米比較 / 教育保障 / ケア / ウェルビーイング / 排外主義 / コロナ禍 |
研究成果の概要 |
本研究では日米の学校やNPOにおけるフィールドワークを実施し、移民家族が受け入れ社会で直面する複合的困難を具体的に示すことによって、移民の親の教育関与を阻む経済的・文化的・社会的メカニズムを明らかにした。特に排外主義と支配的な家族規範が移民家族による教育資源へのアクセスを妨げるプロセスを解明し、その傾向がコロナ禍によって強化されていることを指摘した。日米比較の視点からは、移民家族の子育てニーズが日本においては一層不可視化され、家族の自助努力が求められる中で行政やNPOによる支援基盤も脆弱であることを示した。
|
自由記述の分野 |
教育社会学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、受け入れ社会の中で不可視化される移民の子育てニーズを参与観察や聞き取りから詳細に掘り起こし、受け入れ社会の支配的な文化と構造が移民家庭の子育て困難を生み出すプロセスを明らかにしたことである。特にコロナ禍以降は日米両国において移民の子どもたちの教育機会とウェルビーイングが損なわれていることを示し、教育と福祉の両側面から公教育の役割を再定義し必要な施策を整備していくこと、親子二世代に対する社会的包摂策を検討すること、家族を中心に据えた行政・学校・NPOの持続的な連携と支援体制を構築することの重要性を提起した。
|