研究課題
基盤研究(C)
本研究は、19世紀末から20世紀前半のメキシコ市に住む貧困家庭の子ども、孤児や養育放棄された子どもに焦点をあて、これらの子どもたちがどのような生活を送っていたのか、貧困のなかで苦しい生活を強いられている子どもやその家族に対してどのような支援がなされていたのかを、メキシコの関係機関の歴史文書館などに保管されている一次史料などをもとに検討する。そして、国家の福祉政策に潜む問題点を探るとともに、貧困のなかで暮らす子どもとその家族の生きるための戦略を明らかにする。
メキシコ教育社会史
本研究は、メキシコにおける貧困家庭の子どもなど恵まれない子どもたちの保護や養育、また管理統制に関わる国家の意図や制度を考察した上で、そうした意図や制度のもと、貧困のなかに生きる子どもやその家族がどのように生きてきたのか、その歴史を明らかにするところに学術的意義がある。また、そうした子どもや家族の生活実態とそれに対する支援を検討することは、福祉政策のもつ意義や問題点を検討するとともに、貧困、虐待、児童労働など子どもをめぐる今日的課題を考えるための視座を事例研究を通じて提供する。